「AIの資格を取っておいた方が就職に有利ですか?」 学生からこんな質問をされる機会が、これからますます増えていきそうです。 ChatGPTなどの生成AIが仕事で使われるようになり、AI関連の資格も一気に増えてきました。 ただ、資格が増えると別の問題も出てきます。
「結局、どの資格を取ればいいのでしょうか」 今回は2026年9月時点の状況から、人気が高まっているAI関連資格と、企業からの評価、学生が就活を考えたときにおすすめしたい資格を整理してみます。
AI資格の受験者はかなり増えている
まず注目したいのが「生成AIパスポート」です。 生成AIの基本的な仕組みだけでなく、著作権、個人情報、情報漏えい、生成AIを使うときのリスクなどを学ぶ資格です。 2026年6月試験では21,752人が受験し、累計受験者数は11万5,062人を突破しました。前年同月と比較すると受験者は約2倍です。
つまり今は、「AIを作れる人」だけではなく、「生成AIを正しく安全に使える人」を育てようという流れが強くなっているのです。 もう一つ知名度が高いのが、日本ディープラーニング協会の「G検定」です。 2026年第4回では9,241人が受験。 累計受験者は21万9,761人まで増えています。 大学生、専門学校生だけでなく高校生の合格者も出ています。 G検定では、生成AIだけではなく、機械学習やディープラーニング、AIを取り巻く法律や社会的な問題など、AI全体を体系的に学びます。

AI資格は就活でプラスになるのか?
では一番気になるところです。
AI資格を持っていると就職に有利なのでしょうか。
ここは「持っていれば採用される」と考えない方がいいでしょう。
資格だけで、「AIを使って仕事を改善できます」「AIシステムを開発できます」という実践力まで証明できるわけではありません。
しかし、就活でまったく意味がないかというと、そんなこともありません。 例えばG検定は、大塚商会、中外製薬、GMOメディアなどが社員教育として受験を推奨しています。 GMOメディアでは合格者への資格手当もあります。
つまり企業側も、「AIについて体系的に理解している人材」を育成しようとしているわけです。
学生が資格を取得していれば、「AIに興味を持っている」「自分から勉強している」「一定の基礎知識を持っている」というアピール材料にはなります。 特に新卒採用では、実務経験がほとんどありません。 だからこそ資格は、「自分が何を勉強してきたのか」を企業に分かりやすく伝える材料になるのです。

学生ならどのAI資格がおすすめ?
私なら、すべての学生に同じ資格を勧めることはしません。 目指す仕事によって変えます。

一般企業を目指す学生
まずおすすめしたいのは、ITパスポート+生成AIパスポートです。
ITパスポートはAI専門資格ではありませんが、ITに関する基礎知識を証明できる国家試験です。
現在は生成AIの仕組み、活用例、注意点なども出題範囲に含まれています。
そこに生成AIパスポートを加えれば、「ITの基礎+生成AIを安全に使う知識」を持っていることをアピールできます。 営業、事務、企画などを目指す学生にも向いている組み合わせでしょう。
IT企業を目指す学生
IT系の学生なら、ITパスポート → 生成AIパスポート → G検定くらいまで狙ってもいいと思います。 特にG検定まで取得すると、単にChatGPTを使ったことがあるだけではなく、AIや機械学習を体系的に勉強したことを示しやすくなります。
AI・クラウド分野を目指す学生
さらに専門性を高めたいなら、AWS Certified AI Practitionerという選択肢もあります。
AI、機械学習、生成AIとAWSサービスに関する基礎知識を問う資格で、日本語でも受験できます。 Google Cloudにも「Generative AI Leader」があり、こちらは技術者だけではなく、生成AIをビジネスでどう活用するかを学びたい人を対象にしています。
AIエンジニアを本気で目指す学生
この場合は「E資格」が候補になります。 2026年第1回では1,317人が受験し、911人が合格しました。 機械学習、深層学習、応用数学などが問われるため、初心者向け資格とは難易度が大きく違います。 AIエンジニア志望なら、G検定 → Python・数学・機械学習 → E資格という流れが現実的でしょう。
古い「AI資格ランキング」には注意
ネットでAI資格を検索すると「AI-900」をおすすめしている記事を見かけることがあります。
Microsoftの「Azure AI Fundamentals(AI-900)」は、AI初心者向けとして非常に有名な資格でした。 しかし、AI-900は2026年6月30日で終了しています。 同じくAI-102も2026年6月30日に終了しました。 AI分野は変化が速いため、数年前の記事をそのまま参考にするのは注意が必要です。
就活で本当に強いのは「資格+実践経験」
ここが一番重要です。 例えば面接で、「G検定を取得しました」だけで終わってしまうと、資格欄が一つ増えただけです。 しかし、「G検定でAIについて勉強しました。 その知識を使って生成AIで課題に取り組み、何度も指示を改善しながら成果物を完成させました」と説明できれば、話は変わります。
☛ 資格は知識の証明
☛ 作品は実践力の証明
☛ AIとの試行錯誤は考える力の証明

これからの学生に必要なのは、AI資格を何個も集めることではないと思います。
資格で基礎を身につけ、その知識を実際に使ってみる。
そして、「AIを使って、自分は何を解決したのか」まで話せるようにしておく。
2026年以降の就活では、こちらの方が企業にとって魅力的なアピールになるのではないでしょうか。



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