2026年6月、FIFAワールドカップ2026が盛り上がりを見せています。
サッカーの試合を見ていると、「えっ、今のゴールが取り消しになるの?」と思うことがあります。 その一つがオフサイドです。
近年のワールドカップでは、わずか数センチの差でオフサイドが判定される場面も珍しくありません。昔なら見逃されていたかもしれないプレーが、なぜここまで正確に判定できるのでしょうか。
その裏側には、AIと最新技術があります。
オフサイド判定はなぜ難しいのか
オフサイドは、味方がボールを蹴った瞬間に、攻撃側の選手が守備側の最終ラインより前にいたかどうかを判定するルールです。
しかし実際の試合では、
・選手は全力で走っている
・ボールは高速で動く
・パスの瞬間は一瞬
という状況です。
副審は人間の目で判断しますが、すべてを正確に見極めるのは簡単ではありません。
そこで導入されたのがVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)です。
映像を見返して判定できるようになりましたが、それでも確認には時間がかかるという課題がありました。
AIを活用した新しい判定システム
ワールドカップでは、セミオートメーテッド・オフサイド・テクノロジー(SAOT)という仕組みが導入されています。
簡単に言えば、AIがオフサイドの可能性を自動で検出するシステムです。
ただし、AIが勝手に判定するわけではありません。
最終判断を行うのは人間の審判です。
AIはあくまで審判を支援する役割を担っています。

選手の位置はどうやって測っているのか
ここでよくある誤解があります。 「選手にGPSやセンサーを付けているのでは?」と思う人もいますが、オフサイド判定では選手にセンサーは付いていません。
実際は、スタジアム内に設置された複数の専用カメラが、選手の動きを追跡しています。
カメラは、頭、肩、腰、膝、足先など体の複数のポイントを検出し、その位置をリアルタイムで計測します。 AIはその映像を解析し、選手の位置を3Dデータとして処理しています。
つまり、人間には普通の映像に見えても、AIには選手の位置が座標として見えているのです。
ボールの中にもセンサーが入っている
オフサイド判定で重要なのは選手の位置だけではありません。
もう一つ重要なのが、「いつボールが蹴られたか」です。
オフサイドはボールを受けた瞬間ではなく、味方がパスを出した瞬間で判定されます。
そこで活躍するのが、ボール内部に搭載されたセンサーです。
このセンサーがボールへの衝撃を検知し、「今ボールが蹴られた」というタイミングを正確に記録します。
AIがオフサイドラインを作る
AIは、
・カメラで取得した選手の位置
・ボール内センサーが検知したキックの瞬間
を組み合わせて計算します。
そして守備側選手の位置を基準にオフサイドラインを自動生成します。
判定対象は足だけではありません。
頭や肩、膝など、得点に使える体の部分も判定対象になります。
そのため、テレビで見ると数センチの差でオフサイドになることもあるのです。
最終判断は人間が行う
AIがオフサイドの可能性を検出すると、その情報はVARルームへ送られます。
VAR担当審判が映像やデータを確認し、主審へ報告します。
そして最後に判定を下すのは主審です。
つまり、
- ボール内センサーがキックを検知
- カメラが選手位置を追跡
- AIがオフサイドラインを生成
- VAR審判が確認
- 主審が最終判断
という流れで判定が行われています。
AIは審判の代わりではない
オフサイド判定を見ると、AIが人間に代わっているように感じるかもしれません。
しかし実際には、AIが支え、人間が判断するという仕組みになっています。
数センチの差を人間だけで判定するのは困難ですが、AIがサポートすることでより公平な判定が可能になりました。
サッカーの主役は今も選手です。
そして試合を裁くのも人間の審判です。
AIはその裏側で、公平な試合運営を支える重要なパートナーとして活躍しているのです。



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