「企業はどんな学生を採用したいと思っているのだろう。」
就職活動を控えた学生なら、一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
前回の記事では、企業がコミュニケーション能力を重視する理由についてお話ししました。
では逆に、企業はどのような人を「採用したくない」と考えているのでしょうか。
もちろん、企業が「採用したくない人ランキング」を公表しているわけではありません。
しかし、企業の採用担当者への調査や、新卒採用で重視されている能力を見ると、「こういう人は採用をためらう」という共通点が見えてきます。 今回は、それらをもとに、教育現場で学生と接してきた私の経験も踏まえてランキング形式で紹介します。
第7位 学ぶ意欲が感じられない人
企業は新卒採用に即戦力を求めているわけではありません。
むしろ、「この人は入社後に成長してくれそうか」という点を見ています。
例えば、
・注意されても改善しない
・新しいことを覚えようとしない
・分からないことをそのままにする
こうした姿勢が見えると、「入社後も成長しないのではないか」と考えてしまいます。
今できることよりも、これから成長できることの方が重要です。
第6位 嘘をつく人・責任を人のせいにする人
仕事では誰でも失敗します。 企業が見ているのは、失敗そのものではありません。
例えば、
・ミスを隠す
・言い訳ばかりする
・他人のせいにする
こうした行動は、職場全体の信頼を失う原因になります。
技術は入社後に教えることができます。
しかし、誠実さや責任感は短期間で身につくものではありません。
第5位 基本的なマナーが身についていない人
ここでいうマナーとは、
・時間を守る
・身だしなみ
・挨拶
・言葉遣い
などです。
「挨拶くらいで採用が決まるの?」と思う人もいるかもしれません。
もちろん、挨拶だけで採用が決まることはありません。
しかし企業は、「お客様にも同じ対応をするのではないか」という視点で見ています。
マナーは相手への思いやりでもあり、社会人としての信頼につながるものです。
第4位 主体性がない人
企業が嫌がるのは、「言われたことしかしない人」です。
もちろん、新人なので分からないことはたくさんあります。
しかし、
・分からないことを質問する
・自分で調べる
・自分から一歩踏み出す
という姿勢は高く評価されます。
失敗を恐れて何もしない人よりも、挑戦しようとする人の方が成長すると企業は考えています。
第3位 約束を守れない人
企業は学校の成績だけを見ているわけではありません。
・時間を守れるか
・期限を守れるか
・約束を守れるか
こうした「当たり前」の積み重ねを見ています。
例えば、
・遅刻が多い
・無断欠席をする
・提出期限を守らない
こうした行動が続くと、「社会人になってからも同じではないか」と思われます。
第2位 協調性がない人
今の仕事は、一人だけで完結することはほとんどありません。
多くの仕事は、チームで協力しながら進められます。
そのため、
・人の意見を聞かない
・自分勝手に行動する
・チームワークを大切にしない
という人は、採用されにくい傾向にあります。
企業が求めているのは、「優秀な一人」ではなく、「チームの中で力を発揮できる人」なのです。
第1位 コミュニケーションが取れない人
企業の採用担当者への調査では、毎年のようにコミュニケーション能力が最も重視されています。
ただし、コミュニケーション能力とは、「話が上手な人」という意味ではありません。
例えば、
・相手の話を最後まで聞く
・必要な報告をする
・分からないことを質問する
・相手に伝わるように説明する
・呼ばれたときや指示を受けたときに返事をする
こうした仕事に必要なやり取りができるかどうかです。
たとえば「返事くらいで評価が変わるの?」と思う人もいるかもしれません。
しかし仕事では、返事は「話を聞きました」「理解しました」「これから取り組みます」という意思表示でもあります。 返事がないと、相手は「聞こえなかったのかな」「理解してくれたのかな」と不安になります。
私は学生にも、「返事は礼儀だけではなく、相手を安心させるコミュニケーションだ」と伝えています。 どれだけ高い技術を持っていても、必要なやり取りができなければ仕事は進みません。
だから企業は、コミュニケーション能力を最も重視しているのです。
ランキングのおさらい
ここまで紹介した内容を一覧でまとめます。
| 順位 | 特徴 | 企業が気にする理由 |
|---|---|---|
| 1位 | コミュニケーションが取れない人 | チームで仕事を進められない |
| 2位 | 協調性がない人 | 周囲と協力して仕事ができない |
| 3位 | 約束を守れない人 | 信頼して仕事を任せられない |
| 4位 | 主体性がない人 | 成長が期待しにくい |
| 5位 | 基本的なマナーが身についていない人 | 社内外で信頼を失う可能性がある |
| 6位 | 嘘をつく・責任転嫁する人 | 信頼関係が築けない |
| 7位 | 学ぶ意欲が感じられない人 | 将来の成長が期待できない |
まとめ
ここまで紹介した7つの特徴を見ると、共通していることがあります。
それは、技術力ではなく、「信頼」に関わるものが多いということです。
企業は、新卒採用の段階で完璧な技術を求めているわけではありません。
入社後に教えられる技術よりも、誠実さ、協調性、コミュニケーション能力、学ぶ姿勢といった、社会人としての土台となる部分を重視しています。
つまり企業が採用したいのは、「この人なら安心して一緒に働ける」と思える人なのです。
資格や技術は努力すれば身につきます。
しかし、人との接し方や誠実さ、協力する姿勢は、一日で身につくものではありません。
学校生活は、知識や技術を学ぶ場であると同時に、社会人として必要な習慣を身につける場でもあります。 日頃の挨拶や返事、人の話をしっかり聞く姿勢、約束を守ること。
そうした一つひとつの積み重ねが、社会に出てから「信頼される人」になるための土台になります。
ぜひ学生のうちから意識してほしいと思います。


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