Netflixだけではない|動画配信サービスは視聴者をどこまで分析しているのか

AIと未来

「このドラマ、視聴率20%だったらしいよ」
テレビ番組の人気を表す数字として、昔からよく使われてきたのが「視聴率」です。
日本では現在も、世帯視聴率や個人視聴率によって、どれくらいの人が番組を見ていたのかを確認します。 ところが、NetflixやYouTube、Amazon Prime Video、Disney+など、インターネットで動画を見る時代になると、見える情報が大きく変わります。
テレビよりも、ずっと細かな視聴行動を把握できるからです。

「見たかどうか」だけではない

ネット配信では、動画はサービス側のシステムを通して再生されます。
そのため、「どの作品を見たのか」だけでなく、
「どのくらい見続けたのか」「どんな作品をよく見るのか」といった情報も分析できます。
Netflixも、視聴履歴やユーザーの好みなどを使って、一人ひとりに合った作品をおすすめする仕組みを使っています。 つまり、同じNetflixを開いても、全員がまったく同じ作品をすすめられているわけではありません。

YouTubeなら「どこまで見たか」も分かる

もっと分かりやすいのがYouTubeです。
YouTubeには「視聴者維持率」というデータがあります。
動画を投稿した人は、
「最初の部分でどれくらいの人が残ったのか」
「途中で視聴者が減ったのはどこか」
「どの部分がよく見られているのか」
といったことを確認できます。

たとえば10分の動画で、5分30秒付近から視聴者が急に減ったとします。
投稿者は、
「この説明は長かったのかな」
「このあたりで興味を失った人が多いのかな」
と考える材料にできます。
昔のテレビ視聴率とは、かなり違いますよね。

Netflixだけが特別なのではない

こうしたデータ活用をしているのは、Netflixだけではありません。
AmazonはPrime Videoの視聴傾向を広告分析などに活用しています。
Disneyも、テレビやストリーミングなどをまたいで、どのような視聴者がどんなコンテンツを見ているのかを分析する仕組みを持っています。

つまり、Netflixだけが特別なのではなく、ネット配信そのものが細かなデータを活用しやすい仕組みなのです。

「自分が32分で止めた」ことまで分かる?

ここで少し気になることがあります。
そこまで細かく分かるなら、「自分が昨日、ドラマを32分で止めたことまで分かるの?」と思うかもしれません。 技術的には、アカウントや端末などに結びついた視聴履歴を記録することは可能です。

ただし、データを記録できることと、誰かが個人を名指しで監視していることは別です。
実際の分析では、大量の利用者のデータをまとめたり、個人が直接分からない形で傾向を見る方法も使われています。 ここは混同しない方がいいでしょう。

テレビの「視聴率」から「視聴行動」へ

昔のテレビでは、「どれくらいの人が見たか」という数字が中心でした。
ネット配信では、そこからさらに進んで、「どんな人が、何を、どのように見たのか」まで分析できるようになっています。
そしてAIを使えば、大量の視聴データの中から、
「どんな作品が最後まで見られやすいのか」
「どんな場面で視聴者の興味が変わるのか」
といった傾向も見つけやすくなります。

ただし、Netflixなどの配信会社が、こうした細かなデータを作品制作にどこまで直接使っているのか、そのすべてが公開されているわけではありません。 分かっているのは、視聴者の行動を、テレビ時代よりずっと細かく分析できる環境ができているということです。

では、もしこうしたデータを作品づくりにも積極的に使っていったら、何が起きるのでしょうか。
「この展開は人気がある」
「この主人公は最後まで見てもらいやすい」
「この構成は離脱されにくい」
そんな成功パターンばかりを使うようになれば、失敗しにくい作品は増えるかもしれません。
でも、その一方で、似たような作品ばかりになってしまう可能性もあります。

この問題は、次の記事で考えてみたいと思います。

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