「明日は雨です。」
「週末は晴れるでしょう。」
私たちは毎日のように天気予報を見ています。しかし、その予報がどのように作られているのかを知っている人は意外と少ないかもしれません。
実は、天気予報の裏側ではスーパーコンピューターとAIが活躍しています。
特に近年は異常気象が増え、これまでの方法だけでは予測が難しくなってきました。そこで注目されているのが、日本が誇るスーパーコンピューター「富岳」とAIの組み合わせです。
今回は、天気予報の裏側で何が起きているのかを見ていきましょう。
天気予報はどうやって作られているの?
天気予報は「未来を計算」している
天気予報は、空を見て予想しているわけではありません。
世界中に設置された観測機器や人工衛星、気象レーダー、海上の観測ブイなどから集められた膨大なデータをもとに計算しています。
集められる情報には、気温、湿度、気圧、風向き、風速、降水量などがあります。
これらの情報を使い、「数時間後に空気がどう動くのか」「雨雲がどこへ移動するのか」を計算しているのです。
なぜ膨大な計算が必要なのか
地球の大気は非常に複雑です。
例えば、太平洋で発生した空気の流れが数日後の日本の天気に影響することもあります。
さらに、山や海、都市部の建物、地表の温度なども天気に影響します。
つまり、天気予報とは地球全体を対象にした巨大なシミュレーションなのです。
この計算量は一般的なパソコンでは到底処理できません。
そこで活躍するのがスーパーコンピューターです。
日本が誇るスーパーコンピューター「富岳」
富岳とは何か
富岳は、理化学研究所と富士通が共同で開発したスーパーコンピューターです。
その性能は世界最高レベルで、一時期は世界ランキングで4部門同時1位を獲得したことでも話題になりました。 名前の由来は、日本一高い山である富士山です。
まさに日本を代表する計算機といえるでしょう。
気象予測にも活用されている
富岳は医療や創薬研究だけでなく、防災や気象研究にも活用されています。
豪雨や台風、線状降水帯などの発生メカニズムを詳しく調べたり、より高精度な気象予測の研究を行ったりしています。
近年は豪雨災害が増えているため、こうした研究の重要性はますます高まっています。
なぜ今、AIが必要になったのか
昔は過去データが通用した
従来の天気予報では、過去の観測データが非常に重要でした。
「この気圧配置なら雨になりやすい」
「この季節ならこういう動きをする」
といった過去のパターンを参考に予測を行っていました。
もちろん今でも過去データは重要です。
しかし、最近は状況が変わり始めています。
異常気象で状況が変わった
近年は、
・記録的な猛暑
・ゲリラ豪雨
・線状降水帯
・大型台風
など、これまであまり経験してこなかった気象現象が増えています。
過去のデータに似た事例が少ないため、従来の方法だけでは予測が難しくなってきているのです。
気候変動の影響もあり、「過去と同じ未来」が必ずしも来るとは限らなくなりました。
富岳とAIのタッグが未来を予測する
スーパーコンピューターだけでは限界がある
富岳は非常に高性能ですが、それだけで全てを解決できるわけではありません。
大気の動きを物理法則に基づいて計算することは得意ですが、膨大なデータの中から新しい傾向や特徴を見つけることには限界があります。
AIが新しいパターンを見つける
そこで活躍するのがAIです。
AIは大量のデータを分析し、人間が気付きにくいパターンを発見することが得意です。
富岳が「計算する役割」を担い、AIが「データを分析する役割」を担う。
この組み合わせによって、これまで以上に精度の高い予測が可能になると期待されています。
AI時代の天気予報から見えてくるもの
天気予報は、明日の服装や傘を決めるためだけのものではありません。
豪雨や台風から人命を守り、交通機関や物流を支え、農業や漁業にも大きな影響を与える社会インフラです。
筆者は今回、天気予報について調べながら、「AIはチャットをするためだけの技術ではない」と改めて感じました。 異常気象が増えるこれからの時代、AIは私たちの生活を支える縁の下の力持ちになっていくでしょう。 そして、その裏側では富岳のようなスーパーコンピューターとAIが協力しながら、今日も未来の空を予測し続けているのです。


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