「何か新しいアイデアを考えてください」 こう言われた瞬間、頭が真っ白になった経験はないでしょうか。 新しいアイデアというと、誰も考えたことのないものをゼロから生み出さなければいけないように感じます。 しかし、実際にはそうとは限りません。 すでにあるものと、別のものを掛け合わせるだけでも、新しいものは生まれます。 その分かりやすい例の一つが、お笑い芸人の野田クリスタルさんです。
芸人なのにゲームを作る
野田クリスタルさんといえば、お笑いコンビ「マヂカルラブリー」として知られています。
しかし、もう一つの顔があります。 それがゲーム開発者です。 単に「ゲームが好きな芸人」というだけではなく、プログラミングを学び、自分でゲームを作ってきました。
Nintendo Switchでは2021年に『スーパー野田ゲーPARTY』を発売。漫才のネタ「つり革」をゲーム化したものまで収録されています。 ここが面白いところです。
野田クリスタルさんは、お笑い × ゲーム開発という、一見すると別々のものを組み合わせています。
ゲーム開発だけでも、お笑いだけでもありません。
「芸人が考えるゲーム」だからこそ、普通のゲーム開発者とは違った発想が生まれるわけです。
新しいアイデアはゼロから作らなくていい
私たちは「アイデアを考えよう」とすると、つい、「今まで誰も考えたことのないものを考えなければ」と思ってしまいます。 これでは難しくて当然です。 何もないところから、突然画期的なアイデアを思いつく。そんなことが毎回できる人は、ほとんどいません。
そこで考え方を変えます。 ゼロから作るのではなく、すでにあるものを掛け合わせる。
たとえば、「自分の仕事 × 趣味」「得意なこと × 最近覚えた技術」「昔からあるもの × 新しい技術」と考えてみます。 一つ一つは珍しくなくても、その組み合わせが珍しければ、新しいアイデアになる可能性があります。
野田ゲーも「あるもの」から生まれた
『スーパー野田ゲーPARTY』では、クラウドファンディングの支援者からイラストや写真、音声など、さまざまな素材が集まりました。 普通なら「これをどう使おう」と困りそうです。 ところが野田クリスタルさんは、その素材をどう使うかを考えることからゲームのアイデアを生み出していきました。
つまり、「何を作ろう?」から始めるのではなく、「今あるものをどう使おう?」から考えるわけです。 これは、アイデアを考えるのが苦手な人にとって、とても参考になる考え方です。
まずは自分の中にあるものを書き出す
では実際に、どうすればいいのでしょうか。 難しく考える必要はありません。 まず、自分が持っているものを書き出します。 「好きなこと」「得意なこと」「仕事で経験したこと」「趣味」「最近覚えたこと」何でも構いません。
たとえば、料理、AI、写真、旅行、教育、ゲーム、Excel、動画編集。
ここから2つを選んで掛け合わせてみます。
☛ 料理 × AIなら、冷蔵庫にある食材から献立を考える仕組み。
☛ 旅行 × 写真なら、写真を撮ることを目的にした旅行プラン。
☛ 教育 × ゲームなら、遊びながら学べる教材。
最初から「使えるアイデア」を出そうとしなくても構いません。 まず組み合わせる。
そのあとで、「これ、何かできないかな?」と考えればいいのです。
3つ掛け合わせると自分らしくなる
さらに面白いのが、3つの掛け算です。
たとえば、
教育 × IT × AI
料理 × 動画 × SNS
スポーツ × データ分析 × 子ども
というように増やしていきます。
2つでは普通でも、3つになると同じ組み合わせを持つ人はかなり少なくなります。
これはアイデアだけではなく、仕事やキャリアでも同じです。
「一つの分野で一番にならなければいけない」と考えると大変です。
しかし、自分が持っている複数の経験を掛け合わせると考えれば、自分だけの強みを作りやすくなります。 野田クリスタルさんも、「日本一ゲーム開発ができる人」になる必要はありません。 芸人として培った笑いの感覚とゲーム開発を組み合わせたからこそ、独自の立ち位置が生まれたのだと思います。
アイデア力とは組み合わせる力かもしれない
アイデアが浮かばないと、「自分には発想力がない」と思ってしまう人もいます。
でも、もしかすると、ゼロから考えようとしていただけかもしれません。
新しいものを作るために、必ずしも何もないところから考える必要はありません。
すでにあるものを見る、自分が持っている経験を見る、そして、「これと、これを組み合わせたらどうなるだろう?」と考えてみる。
野田クリスタルさんの「お笑い×ゲーム開発」のように、意外な組み合わせほど面白いものが生まれることがあります。 アイデア力とは、突然降りてくるひらめきではなく、今あるものを、新しい組み合わせで見る力なのかもしれません。


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