2026年10月、GMOインターネットが提供する「お名前.com デスクトップクラウド」がサイバー攻撃を受け、利用者の情報流出や不正取引が発生しました。 さらに、攻撃者は盗んだとする個人情報をインターネット上に公開しました。
GMOは政府に対して「能動的サイバー防御」を要請。 その後、総務省も通信業界に異例の要請を行いました。 ただし、GMOが求めた対策と、政府が実際に要請した対策は別のものです。
何が起き、どこまで対応できたのでしょうか。
盗まれた情報はどのように公開されたのか
今回の事件では、攻撃者がGMOのサービスに不正アクセスし、利用者の情報を取得しました。
さらに約80億円相当の金銭を要求し、10月27日には利用者のものとされる個人情報を犯人側のサイトに掲載しました。GMOインターネット株式会社

このようなサイトは、被害企業を脅迫する目的で利用されることがあります。 問題は、公開された情報が第三者に閲覧・保存され、別の場所へ拡散する可能性があることです。
GMOが政府に求めたこと
GMOは10月24日、政府に「能動的サイバー防御」に関する措置を要請しました。 能動的サイバー防御とは、重大なサイバー攻撃に対し、法律で定められた条件のもとで、国が攻撃に使われる設備などを無害化する仕組みです。 つまり、攻撃元に働きかけて、攻撃そのものを止めようとする対策です。
一方、今回政府が要請したのは、犯人側のサイトへのアクセスを遮断する対策でした。ITmedia

政府はどのように動いたのか
総務省は10月27日、通信業界の4団体に対して、犯人側のサイトへのアクセスを遮断する「ブロッキング」を要請しました。 ※ブロッキングとは、通信会社やプロバイダーが特定のサイトへの接続を制限することです。 今回の目的は、公開された個人情報の悪用や二次被害を防ぐことでした。
しかし、ブロッキングを実施しても、犯人のサーバーや盗まれた情報そのものが消えるわけではありません。
今回の対策はどこまで進んだのか
10月30日時点で確認できる状況を整理します。
① ブロッキング:要請済み
総務省が通信業界に要請しましたが、実際に遮断されたかどうかは確認できていません。
② テイクダウン:ドメイン停止を確認
10月28日、GMOは犯人サイトのドメインが停止されたと発表しました。
※テイクダウンとは、問題のあるサイトなどを停止・削除する措置です。
ただし、今回確認されたのはドメインの停止であり、保存された情報の完全削除を意味するものではありません。GMOインターネット株式会社
③ 能動的サイバー防御:実施は未確認
GMOが求めた攻撃元の無害化については、実施されたという発表は確認できていません。

今回確認された対応は、主に被害の拡大を抑えるための措置といえます。
なぜ簡単にアクセスを遮断できないのか
犯人側のサイトなら、すぐに遮断すればよいと思うかもしれません。 しかし、日本では憲法や電気通信事業法によって「通信の秘密」が守られています。 通信会社が利用者の接続先を判別して遮断する行為は、通信の秘密に関わるため、慎重な判断が必要になります。 「被害の拡大を防ぐことと、通信の秘密を守ること」この両立が難しい問題なのです。
まとめ
今回、政府は個人情報の拡散を防ぐため、異例のブロッキング要請を行いました。
しかし、これはGMOが求めた攻撃元の無害化とは異なる対策です。
犯人サイトのドメイン停止は確認されましたが、事件そのものが解決したわけではありません。
今後は、攻撃者の特定や再発防止に向けた動きが注目されます。



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