「最近、物忘れが増えた気がする」
そんなとき、年齢のせいだと思ってしまう人は多いかもしれません。
もちろん年齢は記憶力に影響します。しかし、記憶力は年齢だけで決まるわけではありません。
結論から言うと、
睡眠、食事、運動、ストレスなどの生活習慣は、記憶力や集中力に関係しています。
ただし、「これを食べれば記憶力が上がる」「8時間寝れば必ず頭が良くなる」といった単純な話ではありません。 大切なのは、脳が本来の力を発揮できる状態をつくることです。
記憶力は「脳だけ」の問題ではない
記憶というと、脳だけの問題だと思いがちです。
しかし実際には、脳も体の一部です。 睡眠不足で疲れているときや、強いストレスが続いているときに、仕事や勉強へ集中できなかった経験はないでしょうか。
この状態では、そもそも情報をしっかり受け取ることが難しくなります。
つまり、記憶力を考えるときには、「脳の性能を上げる」というより、「脳がきちんと働ける環境を整える」という視点が重要です。
睡眠は記憶に深く関係している
生活習慣の中でも、特に重要なのが睡眠です。
私たちは寝ている間、単に体を休ませているわけではありません。
脳では、その日に得た情報を整理し、必要なものを残していく働きが行われています。
勉強した内容が、睡眠をはさむことで思い出しやすくなることがあるのもそのためです。
反対に睡眠不足が続くと、集中力が落ち、新しいことを覚えにくくなります。
覚える段階にも、覚えたことを定着させる段階にも、睡眠は関わっているのです。
「8時間寝ればいい」とは限らない
では、毎日8時間眠れば安心なのでしょうか。
ここは少し注意が必要です。 成人では、一般的に7〜9時間程度の睡眠が目安とされることが多いですが、必要な睡眠時間には個人差があります。
ですから、「絶対に8時間」と決めるよりも、
日中に強い眠気がないか、疲れが取れているか、毎日の睡眠が安定しているか
を見るほうが大切です。
睡眠は、長さだけではなく質や規則性も重要だからです。
ソファーで寝落ちするのはよくない?
仕事や家事が終わったあと、ソファーでそのまま寝てしまう。
これは珍しいことではありません。
一度や二度なら大きな問題とは言えません。
ただし、それが毎日の習慣になり、
ソファーで寝る
↓
夜中に目が覚める
↓
ベッドへ移動する
という生活になると、睡眠が途中で分断されやすくなります。
同じ睡眠時間でも、まとまって眠る場合と、何度も目が覚める場合では、睡眠の質が違ってきます。
そのため、記憶や集中力を考えるなら、最初からベッドで、ある程度まとまった睡眠を取るほうが望ましいと考えられます。
食事で記憶力は変わる?
食事も脳の働きと無関係ではありません。
脳は非常に多くのエネルギーを使う臓器です。
そのため、極端な食事制限や栄養の偏りが続けば、集中力や認知機能に影響する可能性があります。
ただし、「これを食べれば記憶力が上がる」という魔法のような食品があるわけではありません。
魚、野菜、果物、豆類、肉、卵などを含め、全体として偏りの少ない食事を続けることのほうが重要です。 特定の食品だけに期待するよりも、毎日の食生活全体を見る必要があります。
運動も脳に関係している
運動というと、筋肉やダイエットのためというイメージが強いかもしれません。
しかし、適度な運動は脳の健康にも関係しています。
ウォーキングなどの有酸素運動を続けることは、血流や体調の改善だけでなく、認知機能の維持にも良い影響を与えると考えられています。
激しい運動を毎日する必要はありません。
大切なのは、無理なく継続できる形で体を動かすことです。
ストレスや飲酒も無視できない
強いストレスが長期間続くと、集中力が落ちたり、物事を思い出しにくくなったりすることがあります。 「考え事が多すぎて何も頭に入らない」という状態を想像すると分かりやすいでしょう。
また、過度な飲酒も睡眠の質や脳の働きに影響します。
お酒を飲むと眠くなるため、「よく眠れる」と感じる人もいます。
しかし、眠りが浅くなったり、途中で目が覚めやすくなったりすることもあります。
つまり、記憶力だけを単独で考えるのではなく、睡眠、ストレス、飲酒などをまとめて見ることが大切です。
記憶力を良くするなら、まず生活を整える
記憶力を高めたいと聞くと、記憶術や脳トレを思い浮かべる人も多いでしょう。
もちろん、覚え方を工夫することも大切です。 しかし、その前に睡眠不足で疲れていたり、生活リズムが大きく崩れていたりすれば、本来の力を十分に使うことができません。
パソコンにたとえるなら、高性能なCPUを積んでいても、電源が不安定だったり、熱がこもっていたりすれば性能を発揮できないのと同じです。
人間の脳も、まずは動作環境を整える必要があります。
私たちはどう使えばいいのか
記憶力を良くするために、特別なことをする必要はありません。
まず意識したいのは、
・きちんと眠ること
・偏りすぎない食事を取ること
・適度に体を動かすこと
・ストレスをためすぎないこと
とても当たり前に見えることばかりです。
しかし、こうした生活習慣は、脳が本来の力を発揮するための土台になります。
「最近、覚えられなくなった」と感じたとき、すぐに記憶力そのものが落ちたと考えるのではなく、
最近ちゃんと眠れているか、疲れがたまっていないか、生活が乱れていないかを振り返ってみる。
それも、記憶力を守るための大切な方法なのです。


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