2026年9月22日、Appleが新しい高性能Macを、AIを手元のパソコンで動かすための機械として企業や開発者に売り込んでいるとReutersが報じました。
これまで高度なAIを使う場合、OpenAIやAnthropicなどのクラウドサービスを利用するのが一般的でした。 ところがAppleは、AI処理をローカルで行うことで、クラウド利用料を減らせる可能性を打ち出しています。 実際に4台のMac Studioを使って、1兆パラメータ規模のAIモデルを動かすデモも行っています。
今回はMacがニュースになりましたが、ローカルLLMはWindows PCでも利用できます。
では、「ローカルLLM」とは何なのか、その仕組みと注目される理由を見ていきましょう。
ローカルLLMとは何か
LLMとは「大規模言語モデル」のことです。
ChatGPTもLLMを利用していますが、通常は私たちのパソコンの中でAIが動いているわけではありません。 質問を入力すると、自分のPC → インターネット → AI企業のサーバーという流れで処理され、回答が戻ってきます。 これがクラウド型で現在私達がよく使うモデルです。
一方、ローカルLLMは、AIモデルそのものを自分のPCや社内サーバーに保存して動かします。

つまり簡単に言えば、「ChatGPTのようなAIを自分のパソコンの中で動かす」という考え方です。
なぜ今になって注目されているのか
ローカルLLM自体は、最近突然登場したものではありません。 以前から存在していましたが、大きなAIモデルを動かすには非常に高性能なコンピューターが必要でした。
ところが最近は、小型のAIモデルでも性能が上がっています。
さらに、AIモデルのデータを簡略化して容量を小さくする「量子化」という技術によって、大きなモデルでも比較的少ないメモリで動かせるようになってきました。
※ここでいう量子化は、量子コンピュータとは別の技術です。

その結果、
☛ 文章を書く
☛ 長い文章を要約する
☛ プログラムを作る
☛ 資料について質問する
といった処理なら、個人のパソコンでもできるようになってきました。
つまりローカルLLMは、研究者だけが使うものから、一般の企業や個人でも使えるものへ近づいてきたのです。
大きなメリットは情報を外に出さないこと
ローカルLLMの大きな特徴が、データを外部へ送らずに処理できることです。

たとえば会社で、顧客情報、社内資料、未公開のプログラム、機密文書などを扱う場合、外部のAIサービスへそのまま入力することには慎重になる必要があります。
2026年9月21日には、ベルギーのサイバーセキュリティ企業Aikidoが、企業内でローカル実行できるAIモデルを発表しました。 狙いの一つは、機密性の高いソースコードを外部のAI事業者へ送らずに分析できるようにすることです。 学校でも、生徒の個人情報や成績などを扱う場合には、こうした仕組みが役立つ可能性があります。
普通のパソコンでも使えるのか
では、ローカルLLMを使うためには、高性能なパソコンが必要なのでしょうか。
答えは、使うモデルによるです。 小型のAIモデルなら、一般的なパソコンでも動かせます。
ただし、モデルが大きくなるほど、メモリ、GPU、ストレージなどの性能が必要になります。
つまり、「ローカルLLM=高性能PCが絶対必要」ではない 一方で、「高性能なAIほど高性能なPCが必要」ということです。
ChatGPTとまったく同じではない
ここも重要です。 ローカルLLMでも、文章作成やプログラミングなど、ChatGPTに近いことはできます。 ただしChatGPTのようなサービスには、LLMだけではなく、Web検索、画像生成、ファイル解析、外部サービスとの連携など、さまざまな機能が組み合わされています。
ローカルLLMをパソコンに入れただけで、すべてが同じように使えるわけではありません。
そのため、「ローカルLLM=自分専用のChatGPTがそのまま手に入る」と考えると少し違います。
AIはどこで動くようになるのか
これまでは、高性能AIはクラウドで動かすというのが当たり前でした。 しかし、パソコンの性能向上とAIモデルの軽量化によって、その常識が少しずつ変わっています。
これからは、簡単なAI処理はパソコンの中で行い、高度な処理だけクラウドAIを使うという使い分けも増えていくかもしれません。 今回AppleがローカルAIを強く打ち出したニュースは、その変化を象徴する一例といえます。
では、ローカルLLMを使えば、クラウドAIより安くなるのでしょうか。
実は、高性能なGPUを搭載したPCを用意すると、かなりの費用がかかります。
「ローカルLLMは本当にお得なのか」これはまた別の問題です。 次の記事では、PCの価格まで含めて、クラウドLLMとのコストを比較してみます。


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