🟧 第2の力:モヤモヤした気持ちをやわらげる力(感情ジャーナリング編)

保護者向け

🟨 はじめに|「気分が晴れない」のは“感情の渋滞”が起きているから

第1回の記事では、
「考えすぎて頭がいっぱい」 なときの対処法を扱いました。

でも今回フォーカスするのは──

“理由の説明ができないのに気持ちが重い”状態。

こういうこと、ありませんか?

  • なんかずっと不機嫌
  • 理由はわからないけど疲れている
  • イライラしているのに、原因が掴めない
  • 気持ちが落ち込んでいて立て直せない

これらはすべて、
感情が言語化されず、そのまま体と心の中に溜まっている状態(=感情の渋滞) です。

第1回(思考の整理)とは違い、
今回は “心の重さ” を軽くする方法 に特化します。


🟨 今の脳の状態を知る|なぜ感情は“言葉にならないまま”残るのか?

✨ 感情は言葉にしないと脳が処理できない

人は「思考」よりも「感情」を言葉にするほうがずっと難しい生き物です。
なぜなら、感情は本来 “感覚” であり、形がありません。

そのため脳はこうなります:

  • 言葉になっていない
  • どの感情なのか自分で認識できない
  • 何がつらいのか判断できない
  • だから処理を開始できない

→ 結果、感情が長時間とどまり続ける。


✨ どんな脳の反応が起こっている?

✔ 扁桃体(不安・怒りのセンサー)が働き続ける

→ 小さな出来事が大きく感じられる
→ 気持ちが常に揺れ動く状態

✔ 前頭前野(整理する部分)の処理待ち

→ 感情の渋滞により「冷静に見る力」が弱まる

✔ 自律神経が乱れやすい

→ 呼吸が浅い
→ 気が重い
→ 寝つきが悪い

「なんとなく気分が悪い」は
実は“脳の負荷”によるものなんです。


✨ この状態の具体的な例

  • なぜかずっとソワソワする
  • 本当は怒っているのに、怒っていると認められない
  • ちょっとしたことでも気分が沈む
  • 気持ちの疲れが取れない
  • 気分に振り回されている感じがする

🟨 改善の方向性|感情に“名前をつけてあげる”だけで心が軽くなる

第1回の“ブレインダンプ(思考の排出)”とはちがい、
ここでは “気持ちそのもの” を扱います。

改善の鍵は…

感情を言葉にする=ラベリング

脳は「名前のついた感情」だけ処理できます。

言い換えると、

名前がついた瞬間、感情は“情報”になり、処理できるものに変わる。

だから言語化すると、こんな変化が起こります👇


✨ 感情のラベリングが起こす3つの効果

✔ ① 感情の強さが弱まる

「怒りなのか、悲しさなのか」がハッキリするだけで、負荷が下がる。

✔ ② 自分の本音が見えてくる

「本当は疲れだった」「本当は悲しかった」がわかり、自分を理解できる。

✔ ③ どうすればいいか判断しやすくなる

方向性が見えるから、気持ちに振り回されにくくなる。


🟨 具体的な改善方法|感情ジャーナリングのやり方と実例

✨ いつやればいい?

  • 気分が理由なく落ちこむとき
  • イライラが続くとき
  • 眠る前、気持ちがざわついているとき
  • 人間関係の出来事が頭から離れないとき
  • 落ち着きたいのに落ち着けないとき

「感情が強いときほど即効性があります」


✨ 書くときのルール

  • 思ったままを短文でOK
  • たとえ言葉が雑でもOK
  • 無理に整理しなくていい
  • 感情の名前を見つけることだけを意識

✨ 第1回と区別するための“感情に特化した実例”

✏️ 【怒り系】

  • あの言い方はちょっと傷ついた
  • 認めてもらえない気がして悔しい
  • 自分ばかり頑張っている気がする

✏️ 【悲しみ系】

  • 期待が外れてショックだった
  • ちゃんと話を聞いてもらえなくて寂しい
  • うまくいかなくて落ち込んでいる

✏️ 【不安系】

  • 失敗したらどうしようという気持ちが消えない
  • 自分が足りていない気がして怖い
  • 変えられないことに不安を感じている

✏️ 【疲労・無力感】

  • 気を遣いすぎて疲れた
  • 今日は何をしても気持ちが乗らない
  • 頑張れない自分にイライラしている

どれも“感情そのもの”であり、思考やタスクは扱わない。
これが第1回との明確な違いです。


✨ すぐ書ける感情ジャーナリングテンプレ

【いまの気持ち】
(例:悲しい / 疲れた / イライラ / 不安)

【その気持ちの原因として思い当たること】
・
・

【書いたあとの変化】
・気持ちが軽くなった / 落ち着いた / 少し客観的になれた など

🟨 まとめ|感情は“押し込む”より“認める”ほうが早く消えていく

感情を押し込もうとすると、
脳は余計に強く反応します。

でも、感情に名前をつけただけで、
驚くほど早く軽くなります。

感情ジャーナリングは、
“気持ちの渋滞”をほぐし
心を落ち着かせるためのやさしい技術です。

次回は
第3の力:本音を見つける力(問いかけジャーナリング編)
を紹介します。

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