テレビ番組は「内容」だけで選ばれていない?|出演者が左右する「見る・見ない」の心理

保護者向け

テレビを見ていて、「この番組は好きだけど、今日は見たくない」と思ったことはありませんか。
理由は番組内容ではなく、出演者です。
私自身、普段は好きで見ている情報番組でも、どうしても苦手な出演者が出る日はテレビを消してしまうことがあります。 では、テレビを見る・見ないという判断に、「誰が出ているか」はどれくらい影響しているのでしょうか。

テレビ番組は何で選ばれている?

株式会社プラネットが2026年に全国4,000人を対象に行った調査では、「テレビ番組を見る際に重視するポイント」の1位は「ジャンル」55.3%でした。 そして2位が「出演者」40.3%です。
「放送時間帯」は38.0%、「内容の信頼性・正確性」は36.3%でした。
つまり、テレビは「何を放送しているか」だけでなく、「誰が出ているか」も大きな判断材料になっているのです。

「好きな人が出るから見る」は実際にある

出演者が視聴のきっかけになることも調査で確認されています。
ビデオリサーチなどの調査では、女性ティーン層で「推しの人物・キャラクター」がテレビを見るきっかけになる人が50%以上いました。

つまり、「この人が出るなら見よう」という行動は、実際に存在します。
では、その逆はどうでしょう。「この人が出るなら見ない」という行動です。
現時点では、「嫌いな出演者がいるため番組を見ない人は○%」という全国規模の直接的な調査は確認できませんでしたが、出演者を重視する人が40.3%いて、好きな出演者が視聴のきっかけになることが分かっている以上、強い苦手意識が視聴回避につながる可能性は十分にあります。

情報番組では「曜日だけ見ない」もありそう

特に面白いのが朝や昼の情報番組です。
情報番組では曜日ごとにレギュラー出演者が変わることがあります。
すると、「番組自体は好き。でも、この曜日だけは見ない」という行動も起こりえます。

その曜日だけ別番組を見る。
そのコーナーだけチャンネルを変える。
出演中はテレビを消す。
こうした行動は、番組側から見ると原因をつかみにくいでしょう。 曜日別に視聴率が違っても、企画が原因なのか、裏番組なのか、出演者なのか、数字だけでは簡単に判断できないからです。

人気があればいい、とは限らない

ここで気になるのが、出演者の「人気」です。
熱烈なファンが多い人でも、同時に強く嫌う人が多い場合があります。
一方で、熱狂的なファンは少なくても、嫌う人も少ない人もいます。

バラエティー番組なら、好き嫌いが分かれる強烈な個性が武器になることがあります。
しかし、毎朝見る情報番組ならどうでしょう。
そこでは、「毎日見ても疲れない」「安心して見られる」ということのほうが重要かもしれません。

つまりテレビ局にとって出演者には、視聴者を連れてくる力だけでなく、
視聴者を遠ざける力もあるのです。

これはテレビだけの話ではない

この話は、私たちの日常にも当てはまります。
料理はおいしいのに、店員の態度が嫌で行かなくなる店。
仕事はできるのに、「あの人とは一緒に働きたくない」と思われる人。
内容は役立つのに、言い方が苦手でフォローを外されるSNS。
私たちは、商品や情報そのものだけでなく、それを届ける人まで含めて判断しています。

だから、「どうすれば好かれるか」だけでなく、「なぜ避けられるのか」を考えることも大切なのかもしれません。 もちろん、誰にも嫌われない人になる必要はありません。
強い個性が必要な場面もあります。
ただ、毎日付き合う相手や、長く関係を続ける場面では、「この人といると疲れない」「またこの人と関わりたい」という安心感が、大きな価値になります。

人は「好きだから選ぶ」だけではありません。
「嫌だから避ける」ことでも行動します。
選ばれるためには何を足すかだけではなく、相手が離れたくなる理由を減らす視点も必要なのかもしれません。

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