「詰んだ」「終わった」の使いすぎに注意|強い言葉が信用を失う理由

保護者向け

少し体調が悪いとき、気分がすぐれないとき、仕事や勉強が思うように進まないとき。
すぐに、「詰んだ」「終わった」「もう無理」「しんどい」「メンタルやられた」と言っていませんか。 最近は、このような強い言葉が、友達との会話やSNSで軽い意味でも使われています。
本人にとっては、深く考えずに出てくる口ぐせなのかもしれません。

しかし、何度も聞いている周りの人は、あなたが思っている以上に、その言葉に慣れています。
最初は「大丈夫?」と心配していた人も、同じような言葉が繰り返されると、
「また言っている」
「今回も、しばらくすれば戻るだろう」
「いつもの口ぐせだろう」

と、無意識に受け流すようになります。
本人の前では言わなくても、すでに真剣に受け止められなくなっているかもしれません。

嘘をついていなくても、言葉の信用は失われる

オオカミ少年は、何度も嘘をついたため、本当に危険が迫ったときにも信じてもらえなくなりました。
では、嘘をつかなければ大丈夫なのでしょうか。
残念ながら、そうとは限りません。

少し疲れたときも「もう無理」、 本当に動けないときも「もう無理」
少し困ったときも「詰んだ」、 本当に解決方法がないときも「詰んだ」

いつも同じ強さの言葉を使っていると、周りには状態の違いが分かりません。 本人は一度も嘘をついていなくても、強い言葉を繰り返すことで、その言葉の信用は少しずつ失われていきます。
いわば、「嘘つきではないオオカミ少年」になってしまうのです。

流行りの言葉だからこそ注意が必要

「詰んだ」「終わった」「無理」といった言葉は、今では冗談や軽い感想としても使われます。
だからこそ、自分が強い表現を使っているという自覚を持ちにくくなります。 友達との雑談では冗談として通じても、家族、学校、職場では、相手が同じように受け取るとは限りません。

「本当にできないのか」
「助けが必要なのか」
「ただ不満を言っているだけなのか」

聞く側には判断できないのです。
さらに、強い言葉が口ぐせになると、

「すぐに諦める人」
「何でも大ごとにする人」
「いつも否定的な人」

という印象を持たれることもあります。
本人にとっては軽い一言でも、周りは、繰り返し聞いた言葉からその人の考え方を判断します。

心配する側も少しずつ疲れていく

「もう無理」と言われるたびに、本気で心配し、声をかけ、話を聞く人にも負担がかかります。
最初は親身に対応してくれた人も、それが何度も続けば疲れてしまいます。
毎回を緊急事態として受け止め続けることはできません。
これは、周りが冷たいからではありません。心配する側の気力や時間にも限界があるからです。
自分では単に気持ちを口にしただけでも、相手には毎回、助けや対応を求められているように聞こえることがあります。 知らないうちに、大切な人を疲れさせているかもしれません。

本当に助けが必要なときに伝わらなくなる

番困るのは、本当に深刻な状態になったときです。
いつもと同じように「もう無理」と言っても、周りには今回の深刻さが分かりません。

「今回もいつものことだろう」
「少し休めば大丈夫だろう」

そう判断され、必要な助けが遅れることがあります。 そのときになって「今回は本当なのに」と思っても、周りには、これまでとの違いを見分ける材料がありません。
あなたのつらさが嘘なのではありません。 伝え方がいつも同じなのです。

強い一言ではなく、今の状態を伝える

つらいときに我慢する必要はありません。助けを求めることも大切です。

ただし、「詰んだ」「終わった」「もう無理」という一言だけで終わらせず、今の状態を具体的に伝えましょう。

「少し頭が痛いので、30分休みたい」
「作業が多く、このままでは期限に間に合わない」
「気分が落ち込んでいるので、少し話を聞いてほしい」
「立っているのも難しいので、病院へ行きたい」

このように、どのくらいつらいのか、何ができないのか、何をしてほしいのかを伝えれば、周りも状況を判断できます。

「詰んだ」ではなく、「一人では解決できないので相談したい」。
「終わった」ではなく、「予定どおりにいかなくなった」。
「もう無理」ではなく、「少し休ませてほしい」。

言葉を少し変えるだけで、相手に伝わる内容は大きく変わります。

あなたは気づいていなくても、周りは気づいている

口ぐせは、自分ではなかなか気づきません。
しかし、周りの人は気づいています。
また「詰んだ」と言っている。
また「終わった」と言っている。
また「無理」と言っている。
そして少しずつ、その言葉を真剣に受け止めなくなります。

流行りの言葉だから。
みんなが使っているから。
冗談のつもりだから。

それだけでは、相手にどう伝わるかまでは決められません。

つらいときには、つらいと言ってよい。
助けが必要なときには、助けを求めてよい。

だからこそ、いつも最大級の言葉を使うのではなく、今の状態を正確に伝える。
自分の言葉の信用を守ることは、本当に助けが必要になったときの自分を守ることでもあります。

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