子どもの未来を育てる習い事選び|第3回
子どもの未来を考えるときに避けられない「プログラミング」
前回の記事では、未来社会で役立つ習い事ランキングの第1位に「プログラミング」が挙がる一方で、実際の人気ランキングではまだ上位に入っていないこと、その背景についてお話ししました。
では、もし「うちの子にもプログラミングを学ばせてみたい」と思ったとき、どのように選べばいいのでしょうか。
習い事のスタイルは大きく分けて 「リアル教室型」と「オンライン型」 の2つがあります。
教育現場で実際に子どもたちと関わってきた経験をもとに、それぞれのメリットと気をつけたい点をお伝えします。
リアル教室型プログラミングの魅力
- 仲間と一緒に学べる
教室に通う最大のメリットは、同じ年齢の子どもたちと一緒に学べることです。周りがコードを打っている姿を見て「自分もやってみたい!」と刺激を受けたり、わからないことを自然に質問できたりします。
授業の中で「ここどうやるの?」と隣の子に聞いたり、完成したプログラムを見せ合ったりする光景は、まさに学びの連鎖。協働しながら学ぶ経験は、将来どんな職業についたとしても生きる力になります。 - 直接指導でつまずきを乗り越えやすい
プログラミングは「動かない」「エラーが出る」といった挫折ポイントがつきものです。
あるとき、小学5年生の生徒が「先生、バグが直らない!」と涙目になっていたことがありました。一緒にコードを確認し、「ここに“;”が抜けているね」と指摘すると、彼は自分で修正し、プログラムが動いた瞬間に「やった!」とガッツポーズ。保護者の方もその様子を見て感動され、「こんなに集中して頑張れるんだ」と驚かれていました。 - 学習習慣が自然に身につく
教室に通うこと自体が生活のリズムになり、「決まった時間に取り組む」「質問する」という習慣を育みます。これは受験勉強にも、社会に出てからの自己管理にも大いに役立ちます。
オンライン教室型プログラミングのメリット
- どこにいても学べる
地方に住んでいて近くにプログラミング教室がない、送り迎えの時間が取れない――そんなご家庭にとって、オンライン学習は心強い味方です。インターネット環境さえあれば、全国どこからでも専門の先生に指導を受けられます。 - 親も一緒に学べる環境
オンライン授業では、親御さんが隣で見守るケースが多いです。私の教室のオンライン授業でも、子どもが「ママ、このコードどうかな?」と相談しながら進める姿をよく見ます。親子で一緒に新しいことを学ぶ時間は、家庭のコミュニケーションを豊かにする効果もあります。 - 柔軟なスケジュール管理
送迎の必要がないため、習い事の掛け持ちや、親の仕事が忙しい家庭でも取り入れやすいという声を多くいただきます。特に共働き世帯からは「移動時間がゼロだから続けやすい」と好評です。
リアルとオンライン、どちらを選ぶべき?
- リアル教室が向く子
- 人と一緒に学ぶ方がやる気が出る
- パソコン操作にまだ慣れていない
- 先生に直接質問して安心したい
- オンライン教室が向く子
- 家から遠出しづらい
- 自分のペースで学習を進めたい
- 親子で一緒に学びたい
👉 教育者としての実感では、最初はリアル教室で基礎を固め、慣れてきたらオンラインで応用を学ぶという流れが、無理なく力をつけられるおすすめの方法です。
おわりに|保護者の方に伝えたいこと
プログラミングは「ゲームをするため」だけのものではなく、言葉で考えを整理し、論理を組み立て、他人と協力して実現する力を養う学びです。
私は現場で、英語やスポーツが人気の一方で「プログラミングはよく分からないから…」と選択を見送る保護者の方に出会うことがあります。
でも、その一歩を踏み出した子どもたちが、エラーを解決して自分のアイデアを動かした瞬間の達成感に夢中になる姿を知っているからこそ、強くお伝えしたいのです。
「将来のためにやらせたい」だけでなく、「今この瞬間の学びが楽しい」と感じられること。プログラミングはその両方を満たしてくれる数少ない習い事だと考えています。
次回予告
この回では、お勧めランキング1位のプログラミングについてまとめてみました。
次回は、「プログラミング力を家庭ではどう補うか?」という記事の中でどうしてもプログラミングに通わせるのが難しい方向けにその過程での工夫ついても触れていきます。
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