やる気・友情・好きは“あとからついてくる”理由

保護者向け

やる気は“始めてから”生まれ、
友情は“過ごしているうちに”育ち、
仕事の好き嫌いは“できるようになりながら”決まっていく。

私たちはつい「気持ちが整ってから動こう」と考えがちです。
でも、実は人生の多くは “結果が先ではなく、行動が先” の仕組みでできています。
その順番を勘違いすると、「できない」「動けない」「自信がない」という悩みを抱えたままになってしまうことも少なくありません。

この記事では、多くの人がつまずきやすい
「やる気」「友達」「好きな仕事」
この3つを切り口にしながら、
行動が感情をつくる“本当の順番”を解説していきます。


「やる気がないからできない」の勘違い

── やっていくうちに、やる気は生まれる**

■ “やる気が出たらやる”は実は逆

人は「やる気が出たら始めよう」と思いがちです。
でも実際には、動くからやる気が出る のが脳の仕組みです。

  • 机に座る
  • ノートを開く
  • 1行だけ書く

こうした些細な行動でも、脳は“起動”を始めます。


■ 脳科学が示す「行動 → やる気」の順番

脳には「作業興奮」という性質があり、
体を動かすことで脳がやる気モードに切り替わっていくことが分かっています。

つまり、
やる気とは行動の副産物。
最初から用意されているエンジンではない

ということ。


■ 1分だけでいい

行動を始めるハードルを下げることで、
“やる気のエンジン”を自然と起動できます。

「友達をつくりたい」の焦り

── 気づいたら、友達になっていた**

■ 友達は“つくる”ものではなく“育つ”もの

「友達をつくりたい」と意識しすぎるほど、距離が生まれます。
人間関係は意図ではなく、関わった“回数”と“時間”で育つからです。


■ 心理学:単純接触効果が友情の土台をつくる

  • 同じ授業で顔を合わせる
  • グループで作業する
  • 何度か言葉を交わす

こうした小さな接触を繰り返した相手ほど、
自然と安心感や親しみが芽生えます。


■ 本当に仲良くなる相手とは

狙って“友達を作る”のではなく、
一緒に過ごす中で
「気づいたら仲良くなっていた」
という形がほとんどです。


「好きな仕事が見つからない」の迷い

── できるようになるほど、仕事は好きになっていく**

■ 最初から“好き”な仕事に出会える人は少ない

「好きな仕事を見つけてから頑張ろう」
という考え方は自然に見えますが、ここにも順番の誤解があります。


■ 好きは「できる」のあとに育つ

心理学では「有能感」と呼ばれる現象があります。

  • 少しできる
  • 認められる
  • 役に立てる
  • 成果が出る

この流れの中で、
「好き」という感情があとから育つのです。


■ 最初はわからなくていい

仕事の“好き嫌い”は、経験しながら決まっていくもの。
最初に完璧を求めなくていいのです。


3つに共通する“本当の順番”

ここまでの3つに共通しているのは、

やる気・友情・好きはすべて“行動のあとに育つ”。

  • やる気が出たら動く
  • 友達ができてから話す
  • 好きな仕事が見つかってから頑張る

これは全部、順番が逆なんです。

人生は、
「動く → 感情がついてくる」
の順番でできています。


今日からできる“行動が先”の3つの習慣

  • 1分だけ始める
  • 小さな会話を積み重ねる
  • 苦手でもまずやってみる

これだけで、未来の「やる気」「友情」「好き」を育てる土台がつくられます。


さいごに(筆者の言葉)

私はいま先生として学生と関わっていますが、
自分が学生のころは友達づくりが本当に苦手でした。
恥ずかしくて自分から話しかけることができず、
「どうしてみんなは普通に友達ができるんだろう」と悩んでいました。

仕事もそうでした。
「好きになれる仕事じゃないと続かない」と思い込んでいたせいで、
就職活動もすこし遠回りしていました。

でも今振り返って言えるのは、

行動が感情をつくる。
やる気・友情・好きは、全部あとからついてくる。

ということです。

だからこそ、
いま迷っている人にも伝えたい。

今日の小さな一歩が、
未来の“好き”や“関係”や“やる気”を育てていく。

その順番に気づくと、人生は驚くほど軽くなります。

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