「最近は、音声入力もあるし、AIが文章も作ってくれる。
それなら、タイピングの練習って、もう必要ないのでは?」
こう感じている人は、決して少なくありません。
むしろ、とても自然な疑問です。
実際、スマートフォンでは音声入力が当たり前になり、
AIも会話するように使える時代になりました。
では、本当に
タイピングは“やるだけ無駄”になったのでしょうか。
まず前提として、この疑問は正しい
はじめに、はっきり言っておきます。
「AI時代にタイピングは必要なの?」
この問いそのものは、とても的確です。
なぜなら、
- 技術は確実に進歩している
- 入力の手段は増えている
- 「打たなくていい未来」に見える
からです。
ここで大切なのは、
感覚ではなく、本質を見ることです。
本当に考えるべき問いは、ここです
問題の核心は、
「タイピングが速いかどうか」ではありません。
本当に問うべきなのは、次の一点です。
音声入力だけで、“考えたこと”を正確にAIに渡せるか?
ここが、AI時代の分かれ道になります。
音声入力は、とても便利です
誤解のないように言っておきましょう。
音声入力は、
- 手がふさがっているとき
- 思いつきをメモするとき
- 短い質問をするとき
こうした場面では、とても優れています。
「考えたことを、そのまま投げる」
――この用途では、音声入力は強力です。
しかし、AIを本気で使う場面ではどうでしょう
AIを使って、
- レポートをまとめる
- プログラムを考える
- 条件を整理する
- 何度も修正しながら考える
こうした場面では、
「途中で考え直す」ことが何度も起きます。
ここで、音声入力は少し不利になります。
- 話してから「やっぱ違う」と気づく
- 条件を整理しながら話すのが難しい
- 一部だけ直すのが面倒
結果として、
思考が固まる前に外に出てしまうのです。
タイピングは「思考を整える道具」
ここで、タイピングの役割が見えてきます。
タイピングの本当の価値は、
「文字を打つこと」ではありません。
- 書きながら考える
- 消しながら考える
- 並べ替えながら考える
つまり、
思考を編集し続けられることです。
タイピングは、
AIに渡す前の
「思考の下書き装置」なのです。
では、ブラインドタッチは必要か?
ここで、よくある誤解を整理しましょう。
結論から言うと、
完璧なブラインドタッチは不要です。
ただし、これだけは必要です。
- ホームポジションがわかっている
- 迷ったら指が戻れる
- 入力で思考が止まらない
これができるかどうかで、
AIとの付き合い方は大きく変わります。
AI時代に必要なのは「速さ」ではない
大切なのは、
1分間に何文字打てるか、ではありません。
重要なのは、
考えを止めずに、外に出し続けられるか
という一点です。
AIは、
こちらが渡した情報以上のことは考えられません。
だからこそ、
思考を正確に、整理して渡せる人が、
AIを使いこなせる人になります。
まとめ:タイピングは「古い技術」ではない
AI時代のタイピングは、
昔の「事務作業の技能」ではありません。
それは、
思考をAIに正しく渡すための基礎技術です。
- 音声入力は、思いつきを投げる道具
- タイピングは、考えを整える道具
この違いを理解できたとき、
「タイピングは必要か?」という問いの答えは、
自然と見えてきます。
AI時代だからこそ、
考える力を支える入力手段として、
タイピングは、今も静かに役割を変えながら生き続けているのです。



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