第3回|なぜNVIDIAはAI時代の主役になったのか?

AIと未来

【AI時代のチップ入門|速さだけじゃない「本当の競争」】

このシリーズでは、AIを支えるチップの世界で、
今どんな競争が起きているのかを見ていきます。


前回は、GPUがなぜAIと相性がよかったのかを整理しました。

  • CPUは万能型
  • GPUは同じ計算を一気に処理するのが得意
  • AIは大量の計算を必要とする

その結果、GPUが注目されるようになった、という話でした。

では、そのGPUを作っている企業の中で、
なぜNVIDIA(エヌビディア)が特に注目されるのでしょうか。


NVIDIAはどんな会社?

NVIDIAは、
もともとゲーム向けのGPUで知られる会社でした。

パソコンでゲームをする人にとっては、
「高性能なグラフィックボードの会社」という印象が強かったかもしれません。

しかし、AIブームとともに、
その立ち位置は大きく変わりました。


GPUがAIと出会ったとき

GPUは、もともとAI専用に作られたものではありません。

けれども、

  • 同じ計算を大量に処理できる
  • 並列処理に強い

という特徴が、AIの計算とぴったり合いました。

その結果、

AIを動かすならGPU
GPUといえばNVIDIA

という流れが自然に生まれていきました。

でも、それだけではありません。


チップだけではない「強さ」

ここが重要なポイントです。

NVIDIAは、GPUという部品だけを売っていたわけではありません。

GPUを使って計算をするための

  • 開発環境
  • ソフトウェアの仕組み
  • ライブラリ

といった「周辺の仕組み」も整えていきました。

その代表的なものが、
CUDA(クーダ)と呼ばれる開発環境です。


CUDAがもたらしたもの

CUDAは、NVIDIAのGPUを使って
効率よく計算を行うための仕組みです。

研究者やエンジニアは、

  • AIの実験
  • 論文の再現
  • 新しいモデルの開発

を、CUDAを使って行うようになりました。

そして、

  • 教材も
  • サンプルコードも
  • 研究の標準環境も

次第にNVIDIA前提になっていきました。

ここが、大きな転換点です。


「速さ」だけではない理由

もちろん、GPUの性能が高いことも重要です。

しかし、

性能が高いから主役になった

という単純な話ではありません。

  • 開発しやすい環境があった
  • 研究者が使いやすかった
  • 学生が最初に触れる環境になった

こうした積み重ねが、

「気づいたら当たり前になっていた」

という状況を生み出しました。


AI時代の主役とはどういうことか

AIが広がるほど、

  • それを支える計算資源が必要になる
  • GPUの需要が増える
  • GPUを作る企業の影響力が強まる

という流れが起きます。

NVIDIAは、

  • 技術
  • 開発環境
  • 研究コミュニティとのつながり

を通じて、その中心に立つようになりました。

だからこそ、AI時代の主役と呼ばれるようになったのです。


しかし、ここで新しい疑問が生まれる

ここまで読むと、
こう思うかもしれません。

  • それはすごいことなのか?
  • それとも、依存しすぎている状態なのか?

ここから先は、
「競争の構図」という話になります。


次回予告

次回は、

第4回|ベンダーロックインとは何か?「便利」と「逃げられない」の関係

をテーマに、
技術の世界で起きる“依存の構造”について整理します。

便利な仕組みは、
なぜときに「逃げにくい環境」にもなるのでしょうか。

ここから、
シリーズの核心に近づいていきます。

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