怒り・悲しみ・うれしさを、うまく言える子に育てるために
【このシリーズについて】
この記事は「子育て・心がしんどい日のヒント集」シリーズの1本です。
感情の伝え方や親子関係の見直しに役立つヒントを紹介しています。
はじめに|「感情をうまく言えない子」が増えています
「なんで泣いてるの?」「どうして怒ってるの?」
子どもに聞いても「わかんない」「言えない」と返されて、モヤモヤした経験はありませんか?
実は、現代の子どもたちは**“感情の言語化”が苦手な傾向**があります。
その背景には、感情表現の練習機会の不足や、大人の「とにかく落ち着いて」という対応が影響していることも。
でも安心してください。
感情を伝える力=EQ(感情知能)は“学び育てる”ことができるスキルなのです。
EQってなに?IQとはどう違うの?
EQとは「Emotional Intelligence Quotient(感情知能指数)」の略で、
▶ 自分や他人の感情を理解し、うまく対応する力を指します。
IQ(知能指数) | EQ(感情知能) |
---|---|
記憶力や論理的思考の強さ | 感情を理解・表現・調整する力 |
テストや勉強に強い | コミュニケーション・自己制御に強い |
近年の研究では、EQの高さが「人生の満足度」や「人間関係の質」と深く関わると言われており、学校教育や企業研修でも注目が高まっています。
なぜ今、子どもにEQが必要なの?
- 変化の激しい時代に、感情をコントロールする力が問われている
- ネットやSNSでのコミュニケーションが増え、“空気を読む”力よりも“言葉で伝える”力が重要に
- 将来のチームワーク・リーダーシップ・ストレス対処力にも直結する
「怒ってもいい」「泣いてもいい」
でも「その気持ちを言葉にできること」が、子どもの未来の土台になります。
家庭でできるEQ教育|感情を伝える力を育てる3つのステップ
① 「気持ちを言葉にする」練習を一緒にする
子どもが泣いたり怒ったりしたときに、
「なにがイヤだったのか」「どうしてそう感じたのか」を一緒に整理してみましょう。
▶ 例:「○○が嫌だったのかな?それとも、がっかりした気持ちだった?」と選択肢を与えると◎
② 親も“感情を言葉で表す”姿を見せる
「ママも今日、ちょっとイライラしちゃったけど、今は落ち着いてるよ」
「パパ、今とても嬉しい気持ち!」
▶ 親が「感情=恥ずかしいものではない」と示すことで、子どもは安心して表現できるようになります。
③ “怒り”や“悲しみ”も肯定する
つい「泣かないの!」「怒らないの!」と言いたくなりますが、
感情そのものを否定するのはNGです。
▶ 代わりに「その気持ち、わかるよ」と受け止めたあとで、「どうすればよかったかな?」と考える習慣をつけましょう。
EQが高い子どもは、どんな力を持っている?
- 自分の気持ちを素直に言える
- 他人の気持ちにも気づける
- トラブルが起きても、冷静に対処できる
- 落ち込んでも立ち直れる
EQは“勉強ができる・できない”には関係なく、どの子にも育てることができる力です。
おわりに|感情は、伝えることで整理される
怒り・悲しみ・寂しさ・うれしさ…
感情を閉じ込めてしまうと、心の中にモヤモヤがたまってしまいます。
感情を「話すこと」「言葉にすること」は、それ自体が心の整理であり、癒しになります。
まずは、家庭の中で安心して感情を話せる雰囲気をつくることから始めてみましょう。
EQは、子どもの将来を支える“こころの筋トレ”です。
一緒に育てていきましょう。
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