重複表現って、全部ダメなの?
「今の現状」「まず最初に」「危険なリスク」――
これらはすべて意味が重なっている**“重複表現”**として、多くの文章術で「避けましょう」とされています。
でも実際には、アナウンサーや先生、企業のスピーチなどでも普通に聞こえてくることがありますよね?
そう、実は “あえて重複させる”ことで伝わりやすくなることもあるんです。
✅ 文章と話し言葉の“目的”はちがう
比較 | 文章(書き言葉) | 話し言葉(会話・スピーチ) |
---|---|---|
目的 | 読み手に正確・簡潔に伝える | 聞き手に理解しやすく伝える |
特徴 | 無駄を省く/簡潔さが大事 | リズム/わかりやすさ/印象が大事 |
表現 | 重複を避けて整える | 重複で補足や強調をすることがある |
🎙️ あえての重複が“効果的”になるケース
① 聞き取りやすさを重視するとき
「まず最初にお伝えしたいのは…」
→ “これから話が始まる”ということを、より明確にするリズムづくり
② 強調したい・印象を残したいとき
「一番最初に来てくれたのが◯◯さんでした」
→ 単なる「最初」ではなく、「いちばん乗りだよ!」という意味づけ
③ わかりやすさ・丁寧さを足したいとき
「後でまたご連絡します」
→ 「また」があることで、やさしさ・安心感を加えている
✍️ でも、文章ではどうなの?
文章、とくにビジネス文書・報告書・学術文では以下のような理由から重複表現は基本的にNGとされます。
- 意味がくどく、冗長に感じられる
- 読者に「言葉選びが雑」「考えが整理されていない」と思われる
- プロの文章ほど「簡潔さ」「明快さ」が求められる
つまり、**“話し言葉でOKでも、文章では洗練されていることが求められる”**というわけです。
💡 どちらも大事。「目的に応じた使い分け」がポイント
状況 | 重複表現は? |
---|---|
会話・スピーチ | ○:強調や補足のために自然に使えることもある |
書類・資料・レポート | △:避けるのが基本、別の表現に置き換える |
SNS・ブログ | △:カジュアルな場では“あえて”もありうる(読者層次第) |
📝 まとめ|“ルール”よりも“目的”を意識しよう
重複表現は、一律で「間違い!」と切り捨てるものではありません。
大切なのは、**どうしてその表現を選ぶのか?誰に、どう伝えるのか?**という視点です。
✨ 「あえて使う」ことと、「気づかず使っている」ことの違いが、文章力の差になります。
正しく削る、意識して残す――
その選び方が、あなたの言葉をもっと魅力的にしてくれるはずです。
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