第2回|GPUはなぜAIに強い?CPUとの役割の違いを整理する

AIと未来

【AI時代のチップ入門|速さだけじゃない「本当の競争」】

このシリーズでは、AIを支えるチップの世界で、
今どんな競争が起きているのかを見ていきます。


前回は、

  • 半導体とチップの違い
  • CPU・GPU・TPUの役割
  • 私たちのパソコンとデータセンターの違い

を整理しました。

今回は、その中でも特に注目されている
GPU(ジーピーユー)に焦点を当てます。

なぜGPUは、AIと相性がよかったのでしょうか。


CPUは「何でも屋」

まずCPUの役割を思い出してみましょう。

CPUは、

  • いろいろな種類の処理を
  • 順番に
  • 正確にこなす

いわば、司令塔であり、万能型の頭脳です。

パソコンの動作、アプリの起動、計算処理など、
さまざまな仕事をこなします。

ただし、得意なのは
ひとつひとつを丁寧に処理することです。


GPUは「同時にたくさん」が得意

一方のGPUは、もともと

  • ゲームの映像
  • 3Dグラフィック

を表示するために進化してきました。

映像の世界では、

  • 同じような計算を
  • 何万回も
  • 同時に行う

必要があります。

GPUは、こうした
同じ作業を一気に並べて処理することが得意です。


AIの計算とGPUの相性

では、AIはどんな計算をしているのでしょうか。

AIの学習や推論では、

  • 大量のデータを
  • 同じパターンで
  • 繰り返し計算する

という作業が発生します。

たとえば、

  • 画像の中の特徴を探す
  • 数値の重みを何度も調整する

こうした処理は、

「同じ種類の計算を大量にこなす」

という点で、GPUの得意分野と重なっていました。

つまり、

GPUは、AIのために作られたわけではないけれど、
AIにぴったり合う構造を持っていた

ということです。


家庭用GPUとデータセンター用GPUは違う?

ここで少し整理しておきましょう。

私たちのパソコンにもGPUは入っています。

しかし、ニュースで話題になるGPUは、

  • はるかに高性能で
  • 消費電力も大きく
  • 価格も高い

データセンター向けのGPUです。

家庭用GPUが「自転車」だとすれば、
データセンター向けGPUは「大型トラック」のようなものです。

役割は似ていますが、規模が違います。


なぜGPUが主役になったのか

ここまでをまとめると、

  • CPUは万能型
  • GPUは並列処理が得意
  • AIは大量の同じ計算を必要とする

という関係があります。

その結果、

AIが広がる

GPUが必要になる

GPUを作る企業が注目される

という流れが生まれました。

チップの競争は、
単に「速いかどうか」だけではありません。

どんな計算に強いのか、
どんな用途と結びついたのか、
そこが重要なのです。


次回予告

次回は、

第3回|なぜNVIDIAはAI時代の主役になったのか?GPUだけではない強さ

をテーマに、
GPUを作っている企業の戦略に目を向けます。

なぜ特定の会社が、
AIの世界で存在感を強めていったのか。

ここから、
「速さだけでは語れない競争」の話が本格的に始まります。

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