【AI時代のチップ入門|速さだけじゃない「本当の競争」】
このシリーズでは、AIを支えるチップの世界で、
今どんな競争が起きているのかを見ていきます。
前回は、
- 半導体とチップの違い
- CPU・GPU・TPUの役割
- 私たちのパソコンとデータセンターの違い
を整理しました。
今回は、その中でも特に注目されている
GPU(ジーピーユー)に焦点を当てます。
なぜGPUは、AIと相性がよかったのでしょうか。
CPUは「何でも屋」
まずCPUの役割を思い出してみましょう。
CPUは、
- いろいろな種類の処理を
- 順番に
- 正確にこなす
いわば、司令塔であり、万能型の頭脳です。
パソコンの動作、アプリの起動、計算処理など、
さまざまな仕事をこなします。
ただし、得意なのは
ひとつひとつを丁寧に処理することです。
GPUは「同時にたくさん」が得意
一方のGPUは、もともと
- ゲームの映像
- 3Dグラフィック
を表示するために進化してきました。
映像の世界では、
- 同じような計算を
- 何万回も
- 同時に行う
必要があります。
GPUは、こうした
同じ作業を一気に並べて処理することが得意です。
AIの計算とGPUの相性
では、AIはどんな計算をしているのでしょうか。
AIの学習や推論では、
- 大量のデータを
- 同じパターンで
- 繰り返し計算する
という作業が発生します。
たとえば、
- 画像の中の特徴を探す
- 数値の重みを何度も調整する
こうした処理は、
「同じ種類の計算を大量にこなす」
という点で、GPUの得意分野と重なっていました。
つまり、
GPUは、AIのために作られたわけではないけれど、
AIにぴったり合う構造を持っていた
ということです。
家庭用GPUとデータセンター用GPUは違う?
ここで少し整理しておきましょう。
私たちのパソコンにもGPUは入っています。
しかし、ニュースで話題になるGPUは、
- はるかに高性能で
- 消費電力も大きく
- 価格も高い
データセンター向けのGPUです。
家庭用GPUが「自転車」だとすれば、
データセンター向けGPUは「大型トラック」のようなものです。
役割は似ていますが、規模が違います。
なぜGPUが主役になったのか
ここまでをまとめると、
- CPUは万能型
- GPUは並列処理が得意
- AIは大量の同じ計算を必要とする
という関係があります。
その結果、
AIが広がる
↓
GPUが必要になる
↓
GPUを作る企業が注目される
という流れが生まれました。
チップの競争は、
単に「速いかどうか」だけではありません。
どんな計算に強いのか、
どんな用途と結びついたのか、
そこが重要なのです。
次回予告
次回は、
第3回|なぜNVIDIAはAI時代の主役になったのか?GPUだけではない強さ
をテーマに、
GPUを作っている企業の戦略に目を向けます。
なぜ特定の会社が、
AIの世界で存在感を強めていったのか。
ここから、
「速さだけでは語れない競争」の話が本格的に始まります。


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