ここまでの記事では、次の3つの場面を見てきました。
- マクドナルドの公式アプリにある、気づかれないAI
- 学校教育の裏側で進む、学習データの活用
- 動画・買い物・就職活動に広がる、レコメンドAI
どれも共通しているのは、
AIが前に出すぎず、静かに私たちの選択に関わっているという点です。
では、私たちはAIとどう向き合えばいいのでしょうか。
最後に、考え方を整理してみましょう。
そもそも、レコメンドAIは「敵」なのか?
まず大前提として確認しておきたいことがあります。
レコメンドAIは、人を操るための仕組みではありません。
- 過去の行動から傾向を読む
- 合いそうな選択肢を提示する
- 迷う時間を減らす
やっていること自体は、とてもシンプルです。
問題が起きやすいのは、
「知らないまま使っている」状態なのです。
任せすぎると、何が起きるのか
レコメンドAIは便利です。
しかし、すべてを任せきってしまうと、次のようなことが起こりやすくなります。
- 似た情報ばかり目に入る
- 新しい分野に触れにくくなる
- 「選んでいるつもり」で、実は選択肢が狭まる
これは、動画サービスでも、ニュースでも、買い物でも同じです。
AIは「今のあなた」に合うものを出すのが得意です。
一方で、「今のあなたを変えるもの」は、あまり出してきません。
では、AIを拒否すればいいのか?
逆に、
「AIなんて信用しない」
「レコメンドは全部無視する」
という姿勢は、正解でしょうか。
結論から言うと、それも現実的ではありません。
- すでに多くのサービスに組み込まれている
- 使わないと不便になる
- 完全に避けるのは難しい
大切なのは、
ゼロか100かで考えないことです。
ポイントは「主導権がどこにあるか」
AIとの付き合い方で、最も大事な視点はこれです。
主導権は、今どちらが持っているか?
- AIが出したものを、そのまま受け取っているだけか
- 参考にしつつ、自分で考えて選んでいるか
この違いは、とても大きい。
同じレコメンドを見ていても、
向き合い方次第で、結果は変わります。
レコメンドAIと上手に付き合う3つの視点
① 「おすすめ」は仮説だと考える
AIが出してくるのは、正解ではありません。
- 「たぶん、これが合いそう」
- 「可能性が高そう」
あくまで仮説です。
外れても当然、という前提で見てみましょう。
② ときどき、逆を選んでみる
いつもおすすめ通りに動く必要はありません。
- あえて別の動画を見る
- いつもと違うジャンルを選ぶ
- 検索してから探す
こうした行動は、
AIに振り回されない感覚を保つ助けになります。
③ 「なぜ出てきたか」を考えてみる
レコメンドを見たとき、
少しだけ立ち止まって考えてみてください。
- なぜ、これが出てきたのか
- 自分の過去の行動とどうつながっているのか
これができるようになると、
AIを使っている側の視点に近づきます。
学校教育でも、この視点は重要
この考え方は、日常サービスだけの話ではありません。
- 学習アプリのおすすめ問題
- 教材の出し分け
- 学習ルートの提案
これらも、すべてレコメンドの一種です。
「言われたからやる」のではなく、
「提案として受け取る」こと。
これが、学びの主体性につながります。
まとめ|AIと人の「ちょうどいい距離感」
AI、とくにレコメンドAIは、
これからも静かに広がっていきます。
避けることも、
すべてを任せることも、
どちらも極端です。
- 仕組みを知る
- 便利さを活かす
- 判断は自分で持つ
このバランスこそが、
これからのAIリテラシーの核だと言えるでしょう。
シリーズを通して伝えたかったこと
- AIは、突然現れたわけではない
- 気づかないうちに、身近に入り込んでいる
- だからこそ「知って向き合う」ことが大切
レコメンドAIは、
私たちの敵でも、支配者でもありません。
使い方次第で、良いパートナーにもなり得る存在です。
【シリーズ一覧】
・マクドナルドの公式アプリはAIを使っている?|クーポンが人によって違う理由
・学校でも進む「気づかれないAI」|成績・教材・指導はどう変わっているのか?
・日常サービスに広がる「レコメンドAI」|私たちは本当に自分で選んでいるのか?
・レコメンドAIとどう付き合う?|任せすぎない・拒否しすぎないための考え方



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