「最近、マクドナルドの公式アプリって、なんだか変わった気がしませんか?」
ある日、家族と並んでスマホを見比べてみたら、自分のアプリにだけ表示されているクーポンがありました。
同じアプリ、同じお店なのに、なぜ違うのでしょうか。
「これって、もしかしてAI?」
今回は、そんな素朴な疑問から、私たちの身近にある“気づかれないAI”の正体を、できるだけわかりやすく解説してみたいと思います。
マクドナルドの公式アプリはAIを使っているの?
結論から言うと、使っています。
ただし、「最近いきなりAIを導入した」という話ではありません。
マクドナルドは、かなり前から
「データを使って、おすすめを最適化する仕組み」を積み重ねてきました。
私たちが「AIっぽい」と感じるようになったのは、仕組みが変わったからではなく、進化が目に見える段階に入ったからなのです。
「以前から使っていた」とは、いつ頃から?
実はマクドナルドでは、10年近く前から次のようなデータを活用していました。
- どの時間帯に、何が売れるか
- 単品が多いか、セットが多いか
- 平日と休日の違い
- 期間限定商品への反応
これらは、いわゆる「POSデータ」と呼ばれるものです。
当時は、全体の傾向を分析するためのデータでした。
ところが、スマホアプリが普及し、会員データが増えたことで、
「全体」ではなく「一人ひとり」の傾向が見えるようになってきました。
ここが大きな転換点です。
なぜ最近「AIっぽい」と感じるようになったのか
データが“十分にたまった”
AIは、魔法の道具ではありません。
材料となるデータが少なければ、たいしたことはできません。
数回の利用ではなく、年単位の利用履歴がたまったことで、
- 朝マックをよく使う人
- セットを選びがちな人
- 甘じょっぱい味が好きな人
といった傾向が、かなり正確に見えるようになりました。
見せ方が自然になった
もう一つの理由は、表示の仕方です。
以前は「おすすめ!」と機械的に出ていたものが、
今では「今のあなたには、これが合いそうです」と、
そう言われているように感じる表示に変わりました。
中身の仕組みは大きく変わっていなくても、
人は“見た目”でAIを感じるのです。
比較できるようになった
今回のポイントは、ここが一番重要です。
- 家族のアプリには出ていない
- 自分のアプリにだけ出ている
この「比較」ができて初めて、違いに気づきます。
以前は、全員に同じクーポンが出ていました。
違いがなければ、疑問も生まれません。
「自分だけ出たクーポン」は何を見ているの?
たとえば、朝マックのクーポンが出た場合、
次のような情報が影響していると考えられます。
- 朝の時間帯に利用することが多い
- セット商品をよく注文する
- 過去に似た商品を買っている
AIが見ているのは、名前や住所ではありません。
「この人が買いそうかどうか」という確率です。
これは怖い話?それとも便利な話?
「監視されている」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、実際に使われているのは、行動の傾向です。
値段を人によって変える、というよりも、
背中を押す一言を変えていると考えると、イメージしやすいでしょう。
しかも、私たちはその提案を「無視する自由」も持っています。
まとめ|AIは突然賢くなったわけではない
AIは、ある日突然すごくなったわけではありません。
データが十分にたまった瞬間、人が“変化を感じる”だけなのです。
マクドナルドのアプリは、
そのことをとてもわかりやすく教えてくれる例だと言えるでしょう。
次回予告
この「気づかれないAI」の使われ方は、
実はマクドナルドだけの話ではありません。
学校教育や、私たちが普段使っている他のサービスでも、
同じような仕組みが静かに広がっています。
次回「学校でも進む「気づかれないAI」|成績・教材・指導はどう変わっているのか?」では、
「え、これも?」と思う身近な例から、
AIが生活や学びにどう入り込んでいるのかを見ていきます。



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