「最近、パソコンが高くなってきていない?」
そう感じている人は、決して気のせいではありません。
その背景にあるのが、メモリ価格の高騰です。
しかもこれは、一時的な値上がりではなく、
AI時代に入ったことで起きている構造的な変化によるものです。
この記事では、
- なぜパソコンが高くなりそうなのか
- なぜ“メモリ”がその原因になるのか
- メモリ不足はなぜ起きているのか
- 実際、価格はどれくらい変わったのか
- 今後パソコンはいくらくらいになりそうか
という流れで整理し、
**「1年以内にパソコンを買う人への結論」**までまとめます。
パソコンはこれから高くなる可能性がある
結論から言うと、
パソコン価格は今後、上がる可能性があります。
理由はシンプルで、
パソコンを構成する部品の中でも、
メモリという部品が高騰しているからです。
パソコンは、
- CPU
- メモリ
- ストレージ
- マザーボード
- GPU
といった複数の部品でできていますが、
その中でもメモリは、価格変動の影響を受けやすい部品として知られています。
パソコンの中にある「メモリ」という部品
メモリ(RAM)は、
よく「作業机の広さ」にたとえられます。
- メモリが多い → 同時に多くの作業ができる
- メモリが少ない → すぐに動作が重くなる
最近のパソコンは、
- ブラウザの多タブ利用
- 動画・画像編集
- オンライン会議
- AIツールの利用
などが当たり前になり、
以前よりもはるかに多くのメモリを必要とする環境になっています。
なぜメモリが不足しているのか?最大の理由はAI
今回の話で、最も重要なのがここです。
メモリは一般向けPCより「データセンター」に回されている
現在、メモリを大量に消費しているのは、
個人が使うパソコンではありません。
主戦場は、
- AIの学習
- 大規模データ処理
- クラウドサービス
を支えるデータセンターです。
AIは、
- 大量のデータを
- 同時に
- 高速で
処理するため、
非常に多くのメモリを消費します。
その結果、
メモリメーカー
→ 利益率の高いデータセンター向けを優先
→ 一般向けパソコン用メモリの供給が後回し
という構造が生まれています。
メモリを作っている会社は、実はほぼ3社
世界のDRAMメモリ市場は、
ほぼ3社で95%前後を占めていると言われています。
- Samsung Electronics
- SK hynix
- Micron Technology
つまり、
この3社の生産判断や優先順位が、世界のメモリ価格を左右する
という状況です。
AI向け、データセンター向けを重視すれば、
一般向けPCの部品価格にも、その影響は避けられません。
実際、メモリ価格はどれくらい上がったのか
ここで、価格のイメージを見てみましょう。
PC向けメモリ(16GB相当・目安)
- 数年前(価格低迷期)
→ 数千円台前半 - 現在(高騰局面)
→ 1万円前後〜それ以上
体感としては、1.5倍〜2倍近い上昇です。
完成品パソコンでは、
- 部品原価
- 在庫コスト
- 為替
なども加わるため、
販売価格への影響はさらに大きくなります。
では、パソコン本体はいくらくらいになりそうか
例えば、
- 以前:
10万円前後で買えたミドルクラスPC - 今後:
同等性能で 12〜15万円前後
になる可能性があります。
特に影響を受けやすいのは、
- メモリ16GB以上を搭載するモデル
- AI・動画編集・開発用途向けPC
です。
「性能は変わらないのに高い」と感じる場面は、
今後さらに増えていくかもしれません。
結論|1年以内にパソコンを買う人は、今のうちが無難
ここまでを踏まえた結論です。
✔ 1年以内にパソコンを買う予定がある人
→ 今のうちに購入を検討しておく方が無難です。
理由は、
- メモリ価格は高止まりしやすい
- AI需要は今後も伸び続ける
- 一度上がった価格は、簡単には下がらない
という構造があるからです。
お米やエネルギー価格と同じで、
「上がったあとに元に戻らない」可能性が高い分野と言えます。
おわりに|メモリ不足は、AI時代が本格的に動き出した証拠
今回の話は、
「メモリが高い」「パソコンが値上がりする」という
単なる価格の話ではありません。
AIが普及し、
データセンターが拡張され、
計算資源が一気に必要とされるようになった結果、
メモリは足りなくなったのです。
これは不具合でも異常でもなく、
AI時代が本格的に動き出した証拠と言えるでしょう。
その影響が、
私たちが日常で使うパソコンの価格や選択にまで及んでいる。
そう考えると、今回の値上がりも納得できます。
だからこそ、
「必要になってから考える」のではなく、
状況を理解したうえで選ぶことが、これからは大切になります。



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