なぜ今“おすすめ表示”が重要なのか
毎日YouTube、TikTok、Netflix、Amazonを使っていると、いつの間にか自分好みの動画や商品が並んでいますよね。 「なんでこれ出てくるの?」と思ったことがある人も多いはずです。 これを動かしているのがレコメンド(recommmend)と呼ばれる仕組みです。
ポイントは、私たちが意識しなくても、自分だけの“情報の世界”ができ上がっているということ。 便利だけど、仕組みを知らないまま使っている人がほとんどです。 今日はその裏側を、AIの視点からわかりやすく解説します。
そもそも“レコメンド”とは?
レコメンドとは、「個人に合わせて“おすすめ”を自動で出す仕組み」のことです。 わざわざ検索しなくても、次に見たい動画や買いたい商品が並ぶ場面はまさにレコメンド技術です。
昔は、本屋さんや電気屋さんの店員さんが経験で「この商品どうですか?」とおすすめしていました。しかし今は、AIが何百万人分のデータを分析して、最適なおすすめを自動で作り出す時代になりました。つまり、“勘”が“データとAI”に置き換わったわけです。
どんなところに使われているの?
実はレコメンドは、身の回りのあらゆる場所で使われています。
- YouTubeの「あなたへのおすすめ」
- TikTokのおすすめ動画
- Amazonの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」
- Netflixの「あなたにピッタリの作品」
- NEWSアプリの「あなた向けトピック」
- Googleマップの「おすすめのカフェ」
- LINEスタンプの“次に使いそうなスタンプ”
“探さなくても出てくるもの”は全部レコメンドと考えてOKです。
“AIを使ったレコメンド”は何をしているのか
AIの役割は、とてもシンプルにまとめることができます。
① データを集める
AIはあなたの行動を記録しています。
- どの動画を何秒見たか
- 途中でスワイプしたか
- いいねを押したか
- 何時ごろ視聴したか
これらはすべて、“数字”に変換して記録できるデータです。
② 似たパターンを探す(機械学習)
次にAIは、「あなたと似た行動をした人」を大量に分析します。 同じような動画を見ている人の行動パターンから、「次に見そうな動画」を学びます。
③ 次を予測する
AIは正解を当てているわけではありません。「当たりそうな順に並べている」だけです。 これがポイント。 記録されたデータをもとに、“確率”でおすすめを出しているのです。
TikTokはなぜ人をハマらせるのか
レコメンド技術の代表例は、やはりTikTokです。理由は次の通りです。
- 数本見るだけでおすすめが激変する
- 興味が変わると翌日には表示が変わる
- フォローしなくても好きな動画が勝手に出てくる
TikTokは、視聴時間やスワイプの速さなど、細かな行動データをリアルタイムでAIが学習します。
たとえば、猫動画を最後まで見ると「猫に興味あり」と判断し、猫動画がどんどん増えます。
逆に3本連続でスワイプしたら「猫に興味なし」と判断し、表示が消えます。
AIが“あなたの過去”から“あなたの未来の好み”を予測しているというわけです。
AIの仕組みを“数字”で考えるとわかりやすい
大事なのは、好き嫌いが「数値化」されているということです。
- 好き=30秒視聴
- まあまあ=10秒視聴
- 興味なし=3秒でスワイプ
AIは、これらを全部数字に変換して計算します。
人間は感覚で判断しますが、AIは「どれくらい見たか」を基準に判断しています。
つまりレコメンドは、単なるおすすめではなく「データに基づいた予測システム」なのです。
知っておくべき注意点
便利な反面、レコメンドには注意したい点もあります。
- 自分の見たい情報だけに偏る
- 興味が似た世界ばかりになる(フィルターバブル)
- AIが見せたい情報を見せられている可能性
おすすめがすべて正しいとは限りません。情報リテラシーを持って使うことが大切なのです。
まとめ|名前を知ると世界の見え方が変わる
レコメンドは、「AIが作るおすすめ」のこと。
名前を知るだけで、今まで気づかなかった仕組みが見えてきます。
これから動画を見るとき、「これはAIが予測して出してるんだな」と意識してみてください。
世界が少し違って見えるはずです。



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