💬 はじめに|あのドラマの「叫ぶシーン」には意味がある?
ドラマや映画でよくあるシーン。
人間関係に疲れた主人公が、人里離れた場所で穴を掘り、
その中に向かって「バカーッ!」と叫ぶ――。
ちょっと大げさに見えますが、
実はこの行動、心理学的にも“あり”なんです。
なぜなら、叫ぶという行為には、
心の中にたまったストレスを外に出す効果があるからなんですね。
今日は、なぜ「叫ぶ」と心が軽くなるのか、
そしてその行動が脳にどんな影響を与えるのかを、わかりやすく見ていきましょう。
🧠 第1章|怒りや悲しみを「押し込める」と脳が混乱する
私たちは、普段の生活でいろんな感情を抱きます。
怒り、悲しみ、悔しさ、そして不安。
でも、「我慢しなきゃ」「人に迷惑をかけちゃいけない」と思って、
それをぐっと飲み込んでしまうことがありますよね。
ところが――
そうやって感情を押し込め続けると、脳の中で**ストレス物質(コルチゾール)**が増えていき、
気づかないうちに心が疲れていってしまうんです。
つまり、感情を出さない=ストレスが消えないということ。
これを少しずつ外に出すことが、脳にとってとても大切なんです。
🗣️ 第2章|叫ぶことで心がスッキリする理由
怒りや悲しみを「声に出す」とスッキリする。
この現象にはちゃんと名前があります。
それがカタルシス効果(catharsis effect)です。
カタルシスとは、
「心にたまった感情を表に出して、スッキリすること」
心理学では、叫ぶ・泣く・笑うといった行動を通して
ストレスを外に出すことが、人の心を安定させると考えられています。
そして面白いのは、脳の反応です。
叫ぶとき、呼吸が深くなり、自律神経のバランスが整います。
つまり、「怒りのスイッチ」がオフになり、リラックス状態に切り替わるんですね。
「叫ぶ=怒りを外に出す」だけでなく、
「叫ぶ=脳をリセットする」効果もあるんです。
🌿 第3章|でも、“叫び方”にはコツがある
ただし、注意も必要です。
叫び方を間違えると、逆にストレスが増えることもあります。
たとえば、
「○○のせいだ!」「あいつが悪い!」
といった悪口や攻撃の言葉を叫ぶと、
脳の中で再び扁桃体が反応し、ストレス状態に戻ってしまいます。
大切なのは、
「誰かを責める」ためではなく、
「自分の感情を外に出す」こと。
たとえば、
「もうつらい!」「悔しい!」「やりきれない!」
など、自分の気持ちをそのまま叫ぶようにすると、
脳が“ああ、もう吐き出したんだな”と認識して、落ち着いていくんです。
🪵 第4章|「穴を掘る」ことにも意味がある?
では、なぜ穴を掘るんでしょうか?
これもちゃんと理由があります。
穴を掘るという動作は、実は「体を動かす」こと。
体を動かすと、脳内にセロトニンというホルモンが出ます。
このホルモンは心を安定させ、穏やかにする働きがあります。
つまり――
「穴を掘って叫ぶ」は、
「体を動かす+感情を出す」のダブル効果で、脳を整える行為なんです。
ドラマの演出に見えても、実は人間の本能的な「心の回復行動」なんですね。
💡 第5章|現代でもできる“安全な叫び方”
もちろん、実際に山に行って穴を掘るのは大変です。
でも、同じような効果を得る方法はあります。
たとえば——
- カラオケで思い切り歌う
- 車の中で叫ぶ
- 枕に顔をうずめて「うわー!」と声を出す
- 走る・スポーツをする
こうした行動でも、十分に感情のカタルシス効果が得られます。
声を出すことは、人間がもともと持っているストレス解放スイッチなんです。
🩵 まとめ|叫ぶことは「怒り」ではなく「回復」
叫ぶことは、怒りをぶつけることではありません。
本当は、自分の心を助けるための行動なんです。
たまっていた気持ちを声にして出すことで、
脳は“整理がついた”と感じ、落ち着きを取り戻します。
「叫ぶ=怒る」ではなく、
「叫ぶ=癒す」。
安全な場所で、誰も傷つけない形で感情を出す。
それだけで、脳も心も軽くなるんです。
🔗 次回予告
次の記事では、
「ストレスを吐き出す」と「悪口を言う」――
この2つの違いを脳科学の視点から詳しく見ていきます。
💬 先生コメント:
怒りや悲しみを「なかったこと」にしないで、
安全な形で外に出すことが心を守る第一歩です。
誰かを責めるより、自分を癒すために叫ぶ。
それが、脳にやさしい“正しいストレス発散”なんです。



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