はじめに
「この本、ちゃんと読んだはずなのに、内容が思い出せない…」
そんな経験をしたことはありませんか?
多くの人が「読む=勉強になる」と考えていますが、実は “ただ読む”だけでは理解や記憶につながらない のです。
この第1回では、なぜ読んでも頭に残らないのか、その理由を整理していきます。
読書は受け身になりやすい
本を読むとき、多くの場合は「情報を受け取る側」になります。
しかし受け身のままでは、頭に残りにくいのです。
例えるなら、授業を聞くだけで復習しないのと同じで、情報が流れていってしまいます。
理解せずに“目で追うだけ”になっている
特に教科書や専門書では、文章を一通り読んだのに「なんとなく分かった気がする」状態になりやすいです。
これは、文字を目で追うことに意識が向きすぎて、内容を自分の中で処理していない からです。
脳は“重要かどうか”を判断して記憶する
人間の脳は、入ってきた情報すべてを記憶するわけではありません。
「これは大事だ」「自分に必要だ」と判断された情報だけが定着します。
ただ読むだけでは、その判断が働きにくいため、結果として覚えにくいのです。
「目的」が曖昧だと頭に残らない
「試験に出るから読む」「レポートに使うから読む」などの目的があると、情報は定着しやすくなります。
逆に「なんとなく読む」だけだと、記憶のフィルターが働かず、頭に残らないのです。
まとめ
- 本を読んでも頭に残らないのは「ただ読む」ことが原因。
- 読書が受け身になり、脳が「重要だ」と判断できないため記憶に残らない。
- 目的や自分なりの視点を持たないまま読むと、内容はすぐに消えてしまう。
次回予告
第2回「先読み読書のすすめ ― 予測が理解度と記憶を高める理由」では、この問題を解決する方法として 「先読み読書」 を紹介します。
読む前に「内容を予測する」ことで、理解度と記憶がどのように変わるのかを具体的に解説します。
コメント