1. はじめに
2025年4月から始まった高校授業料無償化。
「これで教育費の心配がなくなる!」と安心した保護者の方も多いでしょう。
しかし、実際には「授業料ゼロ=教育費ゼロ」ではありません。
むしろ、見落としがちな“隠れ教育費”が家計にのしかかってくる可能性があります。
本記事では、授業料が無償化されてもなお残る費用や、今後増えるかもしれない支出についてわかりやすく整理します。
2. 無償化されるのは「授業料」だけ
まず確認しておきたいのは、無償化の対象はあくまで「授業料」に限られるということです。
公立高校の場合、これまで年約12万円ほどかかっていた授業料がゼロになります。
ただし、その他の費用は従来どおり必要です。
- 入学金(公立約5,600円、私立数万円〜20万円超)
- 教材費(年間数万円)
- 制服・体操服(5〜10万円程度)
- 部活動費(部によっては年間数万円)
- 修学旅行や学校行事費
つまり、授業料は消えても“学校にかかる費用全体”が消えるわけではないのです。
3. 私立進学の家計インパクト
無償化によって私立高校のハードルが下がったことは事実です。
しかし、私立は公立に比べて「その他費用」が高額になりやすい点に注意が必要です。
例:首都圏の私立高校(年間平均)
- 授業料:約40〜70万円(支援で一部軽減)
- 入学金:20万円前後
- 設備費・施設費:10〜20万円
- 制服・備品費:10万円以上
無償化の恩恵で授業料は抑えられても、その他の費用で年間数十万円単位の負担が残ります。
4. “外部教育費”がより重要になる
さらに忘れてはならないのが「学校外教育費」です。
文部科学省の調査でも、家庭の教育費の大部分は学校外に費やされています。
- 塾・予備校代(中高生で月平均2〜4万円)
- 通信教育・オンライン教材
- 習い事や検定試験費用
無償化によって「私立人気が高まる → 入試競争が激化 → 塾通いが増える」という流れが起こりつつあります。
結果として、授業料がゼロになっても外部教育費が増えて家計が苦しくなるケースがあり得るのです。
5. 保護者が考えるべき対策
では、保護者はどんな視点を持てばよいのでしょうか。
- 学校にかかる総費用を把握する
授業料だけでなく、入学金・教材費・行事費を含めた「総額」で比較する。 - 外部教育費を見直す
塾や予備校だけに依存せず、家庭でできる学習法やオンライン教材の活用も検討する。 - 長期的な教育費計画を立てる
高校の次には大学や専門学校が待っています。授業料無償化の恩恵を“貯蓄”に回す視点も必要です。
6. 保護者へのメッセージ
授業料無償化は大きな安心材料ですが、それだけで教育費の負担が消えるわけではありません。
むしろ「隠れ教育費」や「外部教育費」がカギを握る時代になっています。
制度の表だけを信じて安心してしまうのではなく、
- 何にどれだけのお金がかかるのか?
- 今後どんな教育環境の変化がありそうか?
を冷静に見極めることが、保護者にとって最も重要です。
7. まとめ
- 授業料無償化=教育費ゼロではない
- 制服・教材・部活動・行事費は依然として家庭負担
- 私立は授業料以外の費用が大きく、家計負担は残る
- 外部教育費(塾・予備校代)が今後さらに増える可能性がある
「ゼロになった授業料」を喜ぶ一方で、見えにくい教育費をどう備えるかが、保護者にとって本当の課題になります。
✍️ 次回(第5記事)では、**「平等は実現できても公平は遠い? 高校授業料無償化と教育格差の行方」**をテーマにお届けします。
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