はじめに
「昨日覚えたはずなのに、もう忘れている…」
「試験前に何度も復習したのに、テストでは出てこなかった…」
そんな経験はありませんか?
実は人間の脳は「忘れるようにできている」ため、復習のタイミングを工夫しなければ記憶はすぐに消えてしまいます。
そこで本記事では、エビングハウスの忘却曲線をベースにした「反復トレーニング」の方法を紹介します。
忘却曲線とは?
心理学者エビングハウスの研究によると、人は覚えたことの 約半分を1日で忘れる と言われています。
さらに1週間後にはほとんど思い出せなくなります。
しかし、忘れる前に思い出す ことで記憶は強化され、長期間残りやすくなります。
つまり「一度で完璧に覚える」のではなく、「何度も思い出す」ことが記憶のカギなのです。
効果的な復習のタイミング
忘却曲線を踏まえると、次のサイクルが効果的です。
- 学習直後(その日のうちに復習)
授業や読書で得た知識をすぐに軽く振り返る。5〜10分で十分です。 - 1日後
忘れかけたタイミングで復習すると、記憶が定着しやすい。 - 1週間後
テスト前のまとめ学習にもつながる重要な復習。 - 1か月後
長期記憶に移すための最終チェック。
この「1日後・1週間後・1か月後」の復習を組み込むだけで、学習効果は大きく変わります。
反復トレーニングの具体例
① 暗記科目の場合
- 英単語:
学習直後に単語カードで確認 → 翌日10分復習 → 1週間後にまとめテスト → 1か月後に再チェック - 歴史の年号:
「1192(いい国)鎌倉幕府」のように語呂合わせを作り、定期的に口に出して思い出す
② 理解科目の場合
- 数学:
授業後に解いた例題を翌日もう一度解いてみる → 1週間後に別の問題で確認 → 1か月後に模擬テストでチェック - 物理・化学:
公式を「どんな場面で使うか」を翌日に説明 → 1週間後に演習問題で応用 → 1か月後にまとめテスト
③ ノートを使った反復
- 授業後にノートに赤ペンで「今日の理解度」を自己評価
- 翌日、チェックした部分を再確認
- 1週間後に「できた/できなかった」を色分けして整理
自分の成長を見える化できるので、モチベーションの維持にもつながります。
「短時間×回数」がカギ
復習というと「長時間やらなきゃ」と思いがちですが、重要なのは量よりタイミングです。
- 10分の復習を3回やる方が、30分まとめてやるより効果的
- 短時間でも「思い出す」ことで記憶は強化される
「忘れる前に思い出す」リズムを作れば、無理に長時間やらなくても十分成果が出ます。
実践の工夫
- スケジュール帳に復習日をメモする
例:「今日学んだ内容 → 明日・1週間後・1か月後に復習」 - スマホアプリでリマインダーを設定
通知が来たら5分だけ確認する習慣をつける - 友達と復習会をする
お互いに質問し合うことで、忘れにくくなる
まとめ
- 人は覚えたことの半分を1日で忘れる。
- 「忘れる前に思い出す」反復が記憶を強化する。
- 効果的な復習タイミングは「1日後・1週間後・1か月後」。
- 短時間でも回数を重ねることで、知識は長期記憶に残る。
- 復習を習慣に組み込めば、テスト本番で確実に思い出せる力になる。
次回予告
第5回「自分の理解度を測る!メタ認知チェック習慣」では、学んだことを“わかったつもり”で終わらせないために、理解度を点検するセルフチェック法を紹介します。
日常の勉強に取り入れられる簡単な方法を具体例とともに解説します。



コメント