教育より選挙対策? 高校授業料無償化に透ける政治の思惑

保護者向け

1. はじめに

2025年4月から始まった高校授業料の無償化。保護者にとって「ありがたい制度」なのは間違いありません。
しかし、この制度を冷静に見つめると「本当に教育のため?」という疑問も浮かび上がります。
背景には、教育改革というよりも 政治的な思惑=選挙戦略 が色濃く透けて見えるのです。


2. 教育政策が政治の“得点稼ぎ”になる理由

教育分野の政策は、有権者にとってわかりやすい「成果」として受け取られやすい特徴があります。

  • 授業料ゼロ → 家計が助かるとすぐに実感できる
  • 子育て世帯 → 選挙で大きな票田になる
  • 「教育投資」という言葉 → 前向きな印象を与えやすい

つまり、短期間で“成果”をアピールできる分野なのです。
逆に「教員不足の解消」「ICT教育の整備」など本当に必要な課題は時間がかかるため、選挙向けには訴えにくいのです。


3. 制度の中に見える“政治の都合”

今回の制度をよく見ると、政治的な都合がにじみ出ています。

(1)所得制限の撤廃

本来であれば「支援が必要な家庭に集中投資」する方が効率的ですが、敢えて一律にしました。
理由はシンプルで、「誰でも得をする制度」の方が支持を得やすいからです。

(2)制度導入のスピード感

教育現場の準備や財源の安定性よりも、「とにかく早く始めた」印象を作ることが優先されました。
結果として、公立高校の定員割れや教員配置の混乱など副作用が早くも出ています。

(3)来年度(2026年度)への布石

2026年度からは私立支援が大幅拡大。タイミング的に「次の選挙に向けて成果を積み重ねたい」という意図を読み取る専門家も少なくありません。


4. 教育現場への“しわ寄せ”

政治的なアピールは成功しても、その裏で教育現場は厳しい状況に追い込まれています。

  • 公立高校の志望者減 → 定員割れが増加
  • 教員不足の解消は後回し → 現場の疲弊は続く
  • 学校間格差の拡大 → 「人気校」と「不人気校」で二極化

つまり、政治的には「票になる」制度でも、教育の持続性という観点では危うい側面が目立ちます。


5. 保護者にとっての意味

保護者として大切なのは、「制度がありがたい=教育全体が良くなる」とは限らない、という視点です。

  • 授業料がゼロになっても、外部教育費(塾・予備校・習い事)は残る
  • 人気校集中の結果、受験競争が激化する可能性
  • 「制度に安心して公立を選んだら教育環境が整っていなかった」という事態もあり得る

政治的な思惑で設計された制度だからこそ、保護者は「現場で子どもにどう影響するか」を自分の目で判断する必要があります。


6. まとめ

高校授業料無償化は確かに保護者にとって大きなメリットです。
しかし、その背景には「教育の質」よりも「選挙での成果」を重視する政治の姿勢が透けています。

  • 制度は一律でシンプルだが、その分だけ公平性や持続性を欠く
  • 現場の課題(教員不足・教育格差)は後回し
  • 保護者は“政治的アピールの成果”に安心しすぎないことが大切

次の記事では、家計への影響と隠れ教育費にスポットを当てていきます。

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