「被害を受ける」って、すごく自然に聞こえるけど…
- 「多くの人が被害を受けました」
- 「台風で家屋が被害を受けた」
ニュースや報道でよく耳にするこの言い回し。
でも実はこの「被害を受ける」、意味が重なった重複表現なんです。
✅「被」にはすでに“受ける”の意味がある
「被」という字は、「こうむる=受ける」「〜される」という意味を持つ接頭語です。
つまり「被害」=害を受けることをすでに含んでいるため、
「被害を受ける」=“害を受ける”を受けるという、意味の重複になります。
❌ NG例 vs ✅ OK例
NG表現 | 改善例 |
---|---|
被害を受けました | 被害にあいました/被害が出ました |
被害を受けた家屋 | 被害のあった家屋 |
被害を受ける可能性がある | 被害のおそれがある/被害が懸念される |
「被害」はそれだけで“被った事象”を表す言葉です。
🤔 それでも使われる理由は?
- 報道や公的文書で広く使われている
- 「被害を受けた人」と言うと、“主体が誰か”が明確になる
- 「被害にあう」と言い換えるとやや軽い表現に感じられることもある
🧹 スマートな日本語にするコツ
- 書き言葉では「被害が出た」「被害があった」など主体や視点を工夫して簡潔に
- 公的な文書では、「被害の程度」「影響の内容」など具体的に言い換える
📝 まとめ|“被”の意味を知ればムダが見える
「被害を受ける」は、非常に多くの場面で使われる自然な日本語ですが、
厳密には**“意味の重複”が起きている表現**です。
🎙️ 報道などでは、あえて冗長でも“明確に伝える”ために使われることもあります。
しかし、文章においては「被害が出た」「被害にあう」など、スッキリと伝わる言い方を心がけると、文章がグッと洗練されます。
“漢字の意味を意識する”――それだけでも、あなたの日本語が一段レベルアップします!
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