「未来の予測」は自然だけど…
- 「未来の予測が難しい状況です」
- 「今後の未来を予測しておくことが重要だ」
一見、丁寧でまじめな印象を与えるこの言い回し。
でも「未来の予測」は、実は**意味が重なった“重複表現”**です。
✅「予測」はそもそも“未来のこと”を言う
「予測」とは…
まだ起きていない出来事を見越して考えること
→ つまり “未来のこと”を前もって見積もる行為
なので、「未来の予測」と言うと、
“未来の未来について考える”
……というように、意味が二重になってしまうのです。
❌ NG例 vs ✅ OK例
NG表現 | 改善例 |
---|---|
未来の予測が困難です | 予測が困難です/今後の動向が不透明です |
今後の未来を予測する | 今後を予測する/将来を見通す |
未来の予測データ | 予測データ/将来予測(←定型語としてOKなケースも) |
🤔 なぜ「未来の予測」と言ってしまうの?
- 「予測」だけだとやや硬く感じる
- 「未来」とつけることで文の主題をハッキリさせたくなる
- 「過去の予測との対比」として意識的に使われることもある(←特殊なケース)
🧹 スッキリした言い回しにするには?
- 「予測」には“未来”の意味が含まれることを思い出す
- 書きたい内容が「将来性」「計画性」なら「将来の展望」「見通し」など他の表現を検討
- 文全体を見て「未来」「予測」の両方が本当に必要かを考える
📝 まとめ|予測は“未来”であることが前提
「未来の予測」は、やさしく言えば“言いすぎ”な表現。
特に報告書や解説文、研究論文などの文章では、言葉のムダを省くことが大切です。
🎙️ 話し言葉では「未来の予測」で主題を強調する目的であえて使われる場合もあります。
でも、基本的には「予測=未来」と理解していれば、よりシンプルでスマートな日本語が使えるようになりますよ。
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