「AIでプログラミング不要？」それでも国が子どもにプログラミングを勧める理由とは？

「プログラミングって、これからも本当に必要なんでしょうか？」
AIが目覚ましく進化する今、そんな疑問を抱く保護者の方も多いと思います。

子どもたちの学校でも、プログラミング教育やタブレット学習が当たり前になってきましたが、「将来役に立つの？」と感じる場面もあるでしょう。しかも最近では「もうAIがコードを書けるんだから、プログラミングなんていらないのでは？」という声さえ聞かれます。

では、なぜ文部科学省は今もなお、プログラミング教育を積極的に推し進めているのでしょうか？

まず大切なのは、「プログラミング教育＝プログラマー育成」ではないという点です。

国が目指しているのは、**“プログラミング的思考”**の習得。これは「目的を達成するために、物事を順序立てて、論理的に考える力」のこと。

この力は、将来どんな職業に就いても役立ちます。たとえば、

こんな場面でも“考える力”が問われます。だからこそ、小・中・高を通して「プログラミング的思考」を育てようとしているのです。

確かに、ChatGPTのようなAIはある程度のプログラムを自動で書くことができます。でも、AIが得意なのは“実行”であって、“意図を汲み取る”ことではありません。

AIに何をさせたいのか、どう動かしたいのか——それを考え、指示するのは人間です。

つまり、AI時代にこそ「問題を整理して、順序立てて解決に導く力」が必要なのです。
それがまさに、プログラミング的思考の正体。

さらに言えば、実際に自分でコードを書く**「コーディングスキル」**も、決して無駄にはなりません。

むしろ、今後は**「AIと一緒に何かをつくる力」**が重視される時代。
そのためには、「プログラムの仕組みを理解できること」「エラーの意味を読めること」が大きな武器になります。

📌 では、コーディングスキルって将来どんなふうに役立つの？
→ 詳しくは、別記事【AI時代にコーディングスキルが“本当に”役立つ理由】で解説します（近日公開予定）

先生たちの間では、

といった課題もあります。ですが、どの学校でも「子どもたちに考える力を育てたい」という想いは共通です。

ご家庭でコードを教える必要はありません。

それよりも、子どもが

と考え始めたときに、一緒に考えてみる・問いかけてみることが大切です。
この姿勢こそが、“考える力”を伸ばす最良のサポートになります。

「AIがあるなら人間は考えなくてもいい」という時代は、まだまだ来ていません。

むしろAI時代は、「人間が何を考え、どう使いこなすか」が問われる時代。
だからこそ、子どもたちには今、「考えるための土台」を育てる教育が求められているのです。

🔗 関連リンク（予定）