「元に戻す」ってよく使うけど…
アプリの操作ミスや、設定変更のときなどでよく出てくるフレーズ:
「設定を元に戻してください」
とても自然な表現に見えますが、実はこの「元に戻す」、**意味が重なった“重複表現”**なんです。
✅「戻す」には「元へ」の意味が含まれている
そもそも「戻す」とは…
- 「もとの場所・状態に返す」「元通りにする」という意味があります。
つまり、「元に戻す」は、
“元へ元通りにする”
……ということになり、“元”を2回言っている状態になります。
❌ NG例 vs ✅ OK例
NG表現 | 改善例 |
---|---|
設定を元に戻してください | 設定を戻してください |
ページを元に戻すには… | ページを戻すには… |
ファイルを元に戻したいです | ファイルを戻したいです |
「元」はなくても、意味は完全に伝わります。
🤔 でも、なぜ「元に戻す」が普通に聞こえる?
- 「戻す」だけだと少しぶっきらぼうに感じる
- 「元に」をつけることで丁寧でやわらかく聞こえる
- 日常生活で圧倒的にこの表現が広まっている
特にパソコン用語や操作説明では、「元に戻す」ボタンが標準化されているため、違和感が薄れています。
🧹 「戻す」はシンプルで強い
- 文書や説明書では「戻す」だけで十分
- メールやプレゼン資料では、余分な言葉を1つでも減らすと印象が良くなる
- 「無駄を削る」ことで、プロっぽい文章に近づけます
📝 まとめ|やさしさと過剰な丁寧は紙一重
「元に戻す」は、意味の重複表現ではありますが、感覚的にはとても使いやすい言葉でもあります。
🎙️ 話し言葉では“元に戻す”のほうが自然で親しみやすい場合もあります。
ただし、ビジネス文書・マニュアル・解説文では、「戻す」だけの方がスマートに伝わります。
“やさしさ”としての丁寧さと、“ムダな重ね言葉”の境界を、少しずつ見極めていきましょう!
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